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三菱重工、インド企業に大型搬送機器などの技術供与でアジアなどの市場拡大図る

 三菱重工業( http://www.mhi.co.jp )は、インド最大のクレーンメーカーであるアヌパム社に、大型港湾向けコンテナクレーンや大型搬送機器の技術を供与することで合意、12日、ライセンス契約に調印した。

 これにより、急速に成長するインド市場を取り込むのが狙いで、併せてアジア・中東・アフリカ市場も開拓していく。合弁会社の設立も視野に拡販を加速し、海外売上比率の大幅アップを図る。

 ライセンスは当面、インド国内が対象。同社はアヌパム社に、コンテナクレーン、トランスファークレーンといった港湾クレーン、ローダー、アンローダーといったマテリアルハンドリングシステムおよび製鉄物流機器に関する技術を供与する。

 将来はインドに合弁会社を設立して、さらに協業体制を強化していくことも検討中。また、協業地域もアジア全域、中東、アフリカほかに順次拡大していく。

 アヌパム社は1973年の設立で、インド北西部のグジャラート州アーナンド県に本社を置く。製鉄所、発電所、建設現場、セメント工場、造船所、化学肥料・石油化学プラントや重機工場などに多様なクレーンを多数納入してきた。

 両社はすでに、インドにおいていくつかの有望商談を共同で進めている。

 インドは1990年代以降の経済自由化政策が奏功し、2005年から07年まで3年連続で9%台の経済成長を達成。その後世界的な経済危機に見舞われたものの、依然好調な経済が続いており、社会インフラの整備や産業の拡大に伴い、大型のクレーンや搬送機器に対する需要が増大しているという。

 三菱重工業の搬送システム関連売上高は、2009年度で約200億円、うち海外比率は1割弱となっている。アヌパム社との協業により、将来的には急速な市場拡大が見込めるインドに生産拠点を設立し、アジア・中東・アフリカ向けの販路の拡大も検討していく。これにより、2012年度までにクレーン関係の海外売上比率を約5割まで引き上げることを目標に積極的な営業展開を推し進める。