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日本トライボロジー学会、第5回固体潤滑研究会を開催

 日本トライボロジー学会( http://www.jast.or.jp )の第二種研究会「固体潤滑研究会」は3月17日、東京・青海の産業技術総合研究所臨海副都心センターで、「平成21年度第5回研究会」を開催した。当日は以下のとおり講演がなされ、それぞれ質疑応答が活発に行われた。


  1. 「バライト型硫酸塩及びFe7Mo6基金属間化合物のトライボロジー特性」村上 敬氏(産業技術総合研究所)
     大気中室温~800℃まで低摩擦を示すバライト型硫酸塩とそれを含む複合材料や、境界潤滑領域で低摩擦・低摩耗を示すFe7Mo6基合金などの摩擦・摩耗特性評価について報告した。
  2. 「DLCの産業応用と科学的な側面」大原久典氏(日本アイ・ティ・エフ)
     低摩擦・耐摩耗表面を創るDLCコーティングの産業応用について紹介した後、ドライ環境では水素含有DLCがフリクションポリマーを生成し摩擦係数が下がり、潤滑油環境では水素フリーDLCが油性剤の吸着を促進することで超潤滑を示すといった作用機構について解説した。
  3. 「水境界潤滑におけるDLC/DLC系及びDLC/セラミックス系の摩擦摩耗特性」岩井邦昭氏(首都大学東京)
     摩擦摩耗試験結果から、DLCを被覆した材料同士の摺動では水潤滑の効果による耐荷重能が向上することを報告。また、DLCと各種セラミックスの摺動では特にSiCが低摩擦・耐摩耗を示すが、これは水とSiCとのトライボ化学反応により流体潤滑効果が得られるような平滑な層(SiO2)を形成しているのではとの仮説を立てた。