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『マイクロトライボロジー入門』 安藤泰久著

 マイクロトライボロジーの特徴は、①サイズの違いなどがきっかけとなりマクロなスケールでは気がつかなかった現象が現れること②ミクロな視点で行った解析により摩擦現象の本質に迫ることが容易になること③マクロなトライボロジーとナノトライボロジーをつなぐ役割をもっていることで、トライボロジーに関して新しい視点を与えてくれる。

 本書は、マイクロトライボロジーについて書かれているが、トライボロジーの第二の入門書でもある。マイクロトライボロジーの勉強をこれから始める人や専門家だけでなく、様々な分野でトライボロジーの問題に取り組んでいる人、潤滑や摩擦摩耗現象に興味をもっている人が読んでも十分に役に立つような内容、多様なバックグラウンドの人が興味をもって読み進められるような、つながりを重視した構成になっている。
第1章マイクロトライボロジーの世界、第2章凝着力が摩擦に与える影響-修正される摩擦法則-、第3章凝着力とは何か-小さな水の大きな力-、第4章摩擦力はどこまで小さくなるか-乾燥摩擦の極限-、第5章ナノトライボロジー-原子や分子の相互作用が現れるとき-、第6章ミクロな視点から捉えた摩耗現象-摩耗を利用した加工と摩耗を支配する力-、第7章微小な摩擦力を測る技術-高感度な力測定を目指して-
米田出版発行、産業図書発売。A5判224頁、定価3150円。