アマダ( http://www.amada.co.jp )は、静岡県富士市の富士宮事業所に建設していたサービス業務の中核拠点となるパーツセンターを完成、10月1日から運用を開始する。
常備する保守用パーツは板金加工機械、プレス機械など合わせて8万種、130万点。12月1日からはITサービスカーを投入、サービスのスピード化をはかると共に機械が停止してからの部品供給ではなくマシンが止まる前のパーツ交換、ビフォアサービスの確立をめざす。
完成したパーツセンターは、鉄筋コンクリート造り2階建て、述べ床面積11,840m2の規模で、機械業界最大のパーツセンター。
現在、アマダは国内営業所30の拠点に300人の板金サービスエンジニアと40人のソフトサービスエンジニアを置いて総勢340人体制。サービスエンジニアは同社のすべての板金商品や加工に精通しており、エンジニアリングのアマダを担う。
12月にはモバイルパソコン、プリンターなどのIT機器、デジタル測定機器のほかアマダ
専用パッケージ工具を搭載し、デザインも一新した340台のIT サービスカーが走り出す。
これまで事務所でしか手にできなかった保守・サービスに必要なWeb 資料、STC(サー
ビステクニカルセンター)との対応履歴、Webパーツリスト、マシンカルテなどのデジタルドキュメントをITサービスカーの中で見ることが可能。営業所から出た後、サービスエンジニアに持ち込まれるパーコールもマシンカルテやWEB資料を閲覧し、顧客へ電話で回答するなど早急な対応が可能。マシンダウン等を短時間に抑え込むことができる。
また“新パーツ受注システム”にいつでもアクセス出来るため、パーツの価格、納期、修
理日程等を顧客にその場で伝え、車から見積書をE-mailやFAX送信することも可能。文字通りの動くオフィス。ビジネスが加速される。
巡回中に電話が同時にかかってきても、事務所のサポーターが自動的に対応、その結果がサービスカーに直接送られてくるシステムとなっており、顧客サービス度は大幅に向上する。サービスエンジニアは顧客の主治医。ITサービスカー は“ドクターヘリ”に例えられる。現場に駆けつけた主治医は、パーツ交換のあとマシンをチェック、このあと必要になる部品交換を想定し、交換時期、価格等を提示する。これがビフォアサービス。ビフォアサービスが浸透すれば、ドクターヘリの出動回数は減少し、結果顧客のマシンの稼動率は向上するという。
それがアマダのめざす「トータル稼動支援システム」。顧客のマシン1台ごとに部品交換履歴などを記録した個別診断情報(マシンカルテ)を作成、それに基づき機械が停止する前に部品交換を行うシステムだ。次世代のサービスとしてシステムの構築を進めている。