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キヤノン、医療用X線デジタル撮影装置の累積生産台数1万台を達成

医療用X線デジタル撮影装置累積生産台数の推移※09年は8月末日まで医療用X線デジタル撮影装置累積生産台数の推移※09年は8月末日まで キヤノン( http://web.canon.jp )は、医療用X線デジタル撮影装置「CXDIシリーズ」の累積生産台数が1万台に到達したと発表した。 1998年12月の「CXDI-11」発売以来、10年9カ月での1万台達成となる。

 同社は1993年にX線イメージセンサーの研究開発に着手し、1998年12月にはキヤノン独自のX線イメージセンサー「LANMIT(Large Area New MIS Sensor and TFT)」を搭載した世界初のX線デジタル撮影装置「CXDI-11」を発売した。「CXDI-11」は、撮影後約3秒で画像をモニターに表示できるだけでなく、院内ネットワークと連携して検査オーダーや撮影画像のデータ通信が可能であるなど、従来にない特長を兼ね備えた画期的なX線デジタル撮影装置として大きな反響を呼んだ。

 その後、臥位撮影用据置タイプの「CXDI-22」(2000年9月)や、世界初の小型ハンディタイプ「CXDI-31」(2001年9月)、大判ハンディタイプの「CXDI-50G」(2003年12月)、より少ないX線照射量で高精細な診断画像を得られる「ヨウ化セシウム」を採用した「CXDI-40C」(2003年12月)など、製品ラインアップを拡充してきた。「CXDIシリーズ」は、医療に携わる関係者や研究機関から、即時表示性、高画質、高信頼性などの点で高い評価を受け、全世界の多くの医療施設に導入されてきた。2005年には、この功績が認められ、全国発明表彰において、「リアルタイムX線撮影装置用大画面センサーの発明」が最高位である恩賜発明賞を受賞した。

 また、ハンディタイプの「CXDI-50G」などは、その優れた可搬性から、在宅医療や災害救助の現場でも威力を発揮している。 2008年に中国・四川省で発生した大地震の際には、地震発生の139時間後に救助された被災者の診断にも使用された。 さらに、競走馬など動物の脚の状況確認や、遺跡発掘現場における遺物の解析などにも活用され、医療以外の分野におけるX線デジタル撮影の可能性を大きく広げている。

 現在は、動画による透視と静止画の撮影の両方が1台で行えるハンディタイプのX線デジタル撮影装置の開発を進めており、新たに医療用透視撮影装置の市場にも参入する予定。

 今後は、同社独自のセンサー技術とイメージング技術を生かし、動画および静止画に対応したX線デジタル撮影装置の性能の強化とラインアップの拡充を図ることで、さらなる市場の拡大を目指す。また、医療機関におけるフィルムレス化の促進やモニター診断を強力にサポートし、医療現場における正確な診断と診療の効率化に貢献していく考え。