メインコンテンツに移動
mstkouenkai

 

J&J、頻脈性不整脈の根治治療法用イリゲーションカテーテル発売

ナビスターサーモクール ジョンソン・エンド・ジョンソン メディカル カンパニー( http://www.jnj.co.jp )は、イリゲーションカテーテル「ナビスターサーモクール」の販売を開始した。同品は、頻脈性不整脈の根治治療の一つであるアブレーション治療用のカテーテル。2008年12月に厚生労働省より承認を取得した。

 現在、日本において、不整脈をもつ潜在的な患者は、数百万人におよぶ可能性もあるといわれている。不整脈と診断され、実際にアブレーション治療を受けた患者は約24,000人と推定されているという。

 イリゲーションカテーテルは、頻脈の原因となる心筋を焼く際に、カテーテルの先端から生理食塩水を灌流しながら通電し、標的病変を冷却しながら焼灼することで、過度な温度上昇を防止し、血栓形成リスクを低減させる。ナビスター サーモクールは、既に臨床現場で使用されている立体画像システム「バイオセンスCARTO XP」と併用することで使用できる。

 同品は、同社のグループ会社であるバイオセンスウェブスター社の研究開発の成果として、全世界でこれまでに25万本(2009年2月現在)使用され、イリゲーションカテーテルの領域において、世界でも80%以上のシェアを誇っているという。今回の販売を機に日本でも頻脈性不整脈の根治治療の新たな選択肢を提供することで、患者のQOL(Quality of Life)の向上を図る。

 同品の主な特徴は以下のとおり。


  1. ナビゲーション下でのイリゲーション
    すでに臨床現場にて使用されている「CARTO® XP」、 「CARTOMERGE®」と併用することで、カテーテル先端部分を視覚化することができ、それにより、安全なカテーテル操作と、高精度な解剖情報で適切な診断と通電部位の決定をサポートする。

  2. 血栓発生リスクの低減
    先端チップおよび電極と心筋の接触面とを生理食塩水を灌流させて冷却することにより、過度な温度上昇を防止し、血栓発生のリスクを低下させる。また、カテーテル先端チップからの生理食塩水の灌流により、電極周囲の血液を物理的に押し流す効果のことをさすメカニカル・フラッシュ効果によりチップ電極の周囲に自らフローを作り出し、やわらかい血栓形成のリスクを低減する。

  3. 専用ポンプ・ジェネレータとの連動システム
    ストッカートJ70RFジェネレータ(販売名:バイオセンスSTOCKERT 70)での通電開始・停止に連動してマッピング時の低流量から通電時の高流量に自動で切り替える。また、高流量開始時の温度低下や輸液バッグの残量をモニタすることで、確実なイリゲーションをサポートする。
  4. 高効率通電による手技時間短縮
    効率的な通電により、手技時間のロスを防ぐ。通電中は常に設定した出力で安定しているため、短い焼灼時間での効果的な通電を可能にする。出力コントロールによる通電のため、血流による冷却効果が得られにくい部位でも常に一定の出力で通電できる。