森精機製作所( http://www.moriseiki.co.jp )は医療や時計、計測器などの精密部品用の複合加工機「NT1000」の受注を2009年7月1日より開始した。
近年、工作機械業界では航空機産業やエネルギー産業向けの大型機が注目されている。一方で、医療や時計、計測器をはじめとした小型精密部品加工の分野においては複雑形状の高精度加工が求められ、それらの加工に対応した工作機械のニーズが高まっているという。
同機は最大加工径φ370mm、最大加工長さ400mm。構造には同社の独自技術である“DDM(ダイレクト・ドライブ方式モータ)”、“ORC(オクタゴナルラム)”を採用し、熱変位対策として第1主軸にゼロ芯主軸、そして第1主軸と工具主軸に高精度な冷却システムを採用しており、小型精密部品における高精度加工を実現する。
また、第1主軸に対向して標準装備されたワーク払い出し装置がワーク搬送機能を果たし、バー材からの完品加工を実現する。設置面積は同社従来機比で約40%削減されており、単位面積あたりの生産性が向上する。バリエーションは、ワーク払い出し装置が搭載されたNT1000/W の他に、NT1000/WZ(ワーク払い出し装置+第2刃物台)、NT1000/WZM(ワーク払い出し装置+第2 刃物台(ミーリング機能付))を用意しており、第2刃物台を搭載することで工具主軸との同時加工を実現し、生産性がさらに向上する。
その他にもローダを用いた自動化対応も可能であり、豊富なオプションから顧客のニーズに合わせた仕様を選択できる。