川崎重工( http://www.khi.co.jp )グループの日本飛行機は、情報・システム研究機構国立極地研究所(極地研)向けに、出力20kWの縦軸型風力発電装置を納入した。
本装置は、商用初納入となる自社開発の縦軸型風力発電装置で、日本飛行機が極地研より2008年10月に受注、秋田県にかほ市の仁賀保高原風力発電所に隣接する市有地に設置したもの。今後は極地研により、南極昭和基地での環境保全および化石燃料消費量削減を目的とした自然エネルギー利用の一環として、同基地への設置に向けた国内試験が実施される予定。
縦軸型風力発電装置は、日本飛行機がこれまで航空機メーカーとして培ってきた設計製造技術を生かして開発した小型の風力発電装置で、ビルなどの建物の屋上や公園、駐車場、港湾など、都市部への設置に適した多くの特長を有している。
本装置の主な特長は以下のとおり。
(1)受風面を風上に向ける必要がなく、風向変動による効率低下がない。
(2)機構が単純で信頼性が高く、発電部が低い位置にあるため保守が容易。
(3)翼端速度が低いため、静粛性に優れる。
縦軸型風力発電装置の主要諸元は、以下のとおり。
(1)最大連系端出力:20kW
(2)カットイン風速:4.5m/sec
(3)定格風速:15m/sec
(4)全高:約13m
(5)全幅:約6.5m
(6)総重量:約19t
同社では、「今後も未利用で再生可能なエネルギーの有効利用を促進する技術開発や製品の拡販を通じて、温室効果ガス排出量削減や資源の有効利用による循環型社会構築に貢献していきたい」と放している。