本書は、めっき磁気ディスクの開発や衛星・航空搭載電子機器用各種部品の表面処理技術の開発など、著者の長年の広範囲に及ぶエンジニア生活に基づくデータと考え方を中心に、ピストンリングの耐摩耗性を付与する硬質クロムめっきなどのように的確な製品・部品設計に必要な、めっきの基礎知識とノウハウを丁寧に解説した。巻末には用語解説や皮膜評価方法、表面分析法、めっき関連規格など豊富なデータベースを収録、利便性の高い内容となっている。
第1章では工業発展を遂げた戦後60年間におけるめっきの用途の推移を、第2章ではめっきの周辺プロセスとして各種表面処理とその特徴を述べている。第3?5章ではめっき皮膜で重要な三大要素である?基材との密着性?膜厚?無欠陥性を保証する知識や手法に触れる。第6章ではめっきの環境対策について述べ、第7、8章では電気めっき、無電解めっきを、第9章では電鋳を取り上げている。第10章では特に製造現場で必要なノウハウとして皮膜剥離法を紹介している。
A5判、248頁、定価2,730円(税込)。日刊工業新聞社刊(Tel.03-5644-7410、 http://pub.nikkan.co.jp/ )。