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日産と横浜市、低炭素交通システムで共同計画を締結

 日産自動車( http://www.nissan-global.com )と横浜市は4日、同市が進める「環境モデル都市」実現に向けた5ヵ年の共同計画「ヨコハマ モビリティ "プロジェクトZERO"」の内容について合意、確認書を交わした。横浜市と日産は2008年11月5日に両者が調印した「横浜市にふさわしい次世代交通システム検討を開始」の覚書に基づき具体的な取り組み内容の検討を進めてきたが、このほどその実行計画について合意に至ったもの。

 両者は今後、本合意に基づき以下の4分野の項目について実施、検討していく。

(1)環境に配慮したエコ運転の普及(横浜市民を対象とする簡易エコ診断イベントやエコランキング(E-1グランプリ)の実施、エコ運転支援システム(EMS)(*1)で削減しきれないCO2量をカーボンオフセットする方策についての検討)

(2)渋滞改善に資する経路案内システムの実証実験(動的経路誘導システム(DRGS)(*2)普及による渋滞改善効果やCO2排出削減効果の検証、横浜市民を対象とした経路案内サービス「クルマの時刻表(仮称)」の開発)

(3)環境にやさしい電気自動車(EV)の普及(充電設備設置について、公共駐車場における充電設備の設置、民間事業者が行う充電設備設置に対する補助(100基)、日産新本社での設置と日産販売会社における充電設備設置の検討、横浜市のEV普及に係る補助、EV購入補助(H20年度実績一台あたり最大30万円)、公共駐車場利用料金減免措置の検討、公用車のEV導入、EV普及に向けての現行制度上の課題についての検討、EV普及に向けた啓発活動の開始)

(4)検討項目に係る効果評価および情報発信(横浜市中心部における交通行動の変化とCO2排出削減効果に関する施策実施効果の算出、エコモビリティポータルサイトの開設・運営、“開国博Y150”やエコカーワールドにおけるEMS体験イベントの実施、東京大学との連携による総合的な都市モビリティのデザイン、交通工学研究会内での研究グループ開設、マルチモーダルシェアリングなどの社会実験の計画、市民の「ヨコハマ モビリティ "プロジェクト ZERO"」への参加を促す交通エコポイントの試行実験)

 日産は、ITS(*3)を活用して交通事故低減や渋滞緩和を目指す「SKYプロジェクト」を横浜市域で2006年より実施、日常の使用過程で渋滞緩和によるエネルギー利用の効率化やCO2排出量削減の可能性をクルマの日常使用の中で検証してきており、「ヨコハマ モビリティ "プロジェクトZERO"」にもその結果を反映していく。

 また、同社ではルノーと共に、ゼロ・エミッション車で世界のリーダーになる目標を掲げており、世界各国の政府や自治体、企業など合わせて13件のゼロ・エミッションモビリティに関するパートナーシップを締結している。日産のEVは2010年に日本、米国で販売開始、横浜市は日本でEVが供給される最初の市場の一つとなる。

 日産の山下光彦副社長は、「低炭素社会の自動車交通実現のためには自治体と自動車メーカーの連携が不可欠であり、それぞれが社会における役割を果たしていくことが必要である。日産は、持てる技術と経験を駆使して、『ヨコハマ モビリティ "プロジェクト ZERO"』に貢献していきたい。」と述べた。

(*1)EMS: Eco Drive Management System: ナビ・携帯・パソコンより、各車のCO2排出量を集約し、他者との比較結果や改善アドバイスを行うシステム

(*2)DRGS: Dynamic Route Guidance System: 高密度な交通情報をプローブを用い集約し、最速ルートを案内する動的経路誘導システム

(*3)ITS: Intelligent Transportation Systems: 人、道路、車両を情報でつなぐ高度道路交通システム