コマツ( http://www.komatsu.co.jp )は、100%出資子会社であるKELK(TEL 0463-23-3697 http://www.kelk.co.jp )を通じ熱電発電モジュールの製造販売を開始する。
KELK は、半導体製造で使用される温度制御装置の世界トップメーカーで、この温度制御に使われるサーモ・モジュール(ペルチェ素子)に関しては、素材からモジュール、熱交換器、応用機器までの開発・製造・販売を一貫して手がけている。
サーモ・モジュールは、電気で温度を制御(冷却)する用途が中心だが、この逆作用を利用したのが熱電発電モジュールで、熱を使って電気を作る「熱電発電」を可能にする。
熱電発電により、工場や発電所、焼却炉などでこれまで排出されてきた大量の廃熱を電気エネルギーとして回収することが可能で、特に定常的に排出される工場廃熱を利用すれば、太陽光発電よりも安価な再生エネルギーとなる可能性があると見られ、実用化によりCO
2削減にも効果を発揮すると期待されている。
コマツの高性能モジュールは、市場の同様製品と比較して、発電出力密度が50%以上も高くコストパフォーマンスが高い。将来的には、建設機械のディーゼルエンジンに応用し、排出ガスを電気エネルギーとして再生することも考えられ、現在、研究が進められている。
コマツグループにおける熱電技術は、一部をコマツ研究本部が担当、今回の熱電発電モジュールについては、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の省エネルギー技術開発プログラム「高効率熱電変換システムの開発」(2002から2006年度)にコマツが参画し、その成果を基に実用化したもの。
なおこの熱電発電モジュールは、2月18日より東京ビッグサイトで開催される「nano tech 2009」において、NEDOブース内で展示される予定。主な特徴は以下のとおり。
(1)世界最高の変換効率を持ち、比較的小さな温度差でも大きな出力が得られる(動作条件:高温側280℃、低温側30℃)。
(2)出力密度が約1W/cm
2と高く、設備がコンパクトになります。
(3)最大出力時、3A-8Vと低電流・高電圧のため、電気回路の取扱いが容易になります。
仕様は、寸法:50mm×50mm×4.2mm(リード線含まず)、質量:47g、出力:最大24W(高温側電極280℃、低温側電極30℃のとき) 使用可能温度:高温側最高280℃・常用250℃以下 / 低温側最高150℃、変換効率:最大7.2%、材料:BiTe系。
5月から受注を開始。公表価格は1モジュール3万円で、最小販売個数は50モジュール。