経済産業省( http://www.meti.go.jp )は、2008年12月20日付けで、JIS Q 9001(品質マネジメントシステム規格)を改正する。JIS Q 9001は、品質マネジメントシステムの国際規格であるISO 9001のわが国における普及のため、日本工業規格(JIS)として公示されている。今回の改正は、ISO(国際標準化機構)が、規格の内容の明確化などを目的に2008年11月15日付けでISO 9001 の改正版を発行したことに伴うもの。
今回のJIS Q 9001の改正は、ISO(国際標準化機構)が、規格の内容の明確化やISO 14001 との整合性の向上等を目的にISO 9001
の改正版を11月15日付けで発行したことに伴い行われる。ISO 9001 の改正は、2003年にブカレスト(ルーマニア)で開催されISO/TC176
(品質管理及び品質保証)総会での規格見直し開始の決議から2008 年ノビサド(セルビア)総会まで約5年の審議を経て行われた。その結果、編集上の細かい箇所を含めると約70ヵ所、実質的には約30ヵ所が改正された。
主な改正点は以下の通り。
(1)規格要求事項の明確化(ISO が実施したユーザー調査で明確にするよう要請が多かった項目)
?品質マネジメントシステム:一般要求事項【4.1】
アウトソースしたプロセスの管理について、本文の中に“組織は「管理の方式及び程度」を定めなければならない”とするとともに、注記に、「管理の方式及び程度」は以下の三つの要因により影響されうると説明を追加した。
・アウトソースしたプロセスの適合製品を供給するという組織の能力への
影響の可能性
・アウトソースしたプロセスの管理への組織の関与の度合い
・購買管理を遂行する組織の能力
?改善:是正処置【8.5.2】及び予防処置【8.5.3】
現行版の本文にある“是正処置において実施した活動のレビュー”を、“とった是正処置の有効性のレビュー”と修文することで、ここにおけるレビューとは「実施した是正処置の結果の確認を含む」ことであることを明確にした。予防処置【8.5.3】についても、同様に改正。
(2)JIS Q 14001 との整合性の向上
記録の管理に関する要求事項【4.2.4】について、JIS Q 14001 との記述順序を揃えることで整合性を向上させた。