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東京理科大学・佐々木研究室、第30回トライボサロンを開催
東京理科大学・佐々木研究室(主宰:佐々木信也 教授)が主催する「トライボサロン」(https://tribo-science.com/salon)の第30回目が4月19日、東京都葛飾区の同大学 葛飾キャンパスでのオンサイト参加とオンライン参加からなる、ハイブリッド形式によって開催された。
第30回トライボサロン開催のようす
トライボサロンは、トライボロジーに関係する情報・意見交換の場として、毎月1回のペースで開催されている。もともとは佐々木研究室の博士課程学生の勉強会として発足し研究成果の発表や最新の研究動向などに関する意見や情報交換を重ねてきたが、2022年9月からは佐々木研究室に限らず広く参加の戸を開き、関係者のネットワーク作りも目的の一つとして活動している。トライボロジーに関する情報交換、人材交流等を通し、関連技術の向上と発展に資することを目的に、次の活動を円滑に行えるよう運営に努めている。
第30回目となる今回のトライボサロンでは、東京理科大学 修士1年(M1)の3名の発表者から、以下のとおり話題提供がなされた。
姉川健佑氏は「リン酸エステル中における反応膜の成長過程に関する研究」と題し、原子間力顕微鏡(AFM)摩擦面その場観察を用いてリン酸エステルの一種であるトリクレシルホスフェート(TCP)由来のトライボフィルムの成長過程をナノスケール観察し、反応速度の観点から解析を行った結果、TCPトライボフィルムの成長速度は実験が高温になるにつれて増加することや、トライボフィルム成長とせん断応力の間には正の相関が確認されたこと、せん断応力の増加とともに活性化エネルギーが低下しトライボフィルムの生成反応を促進したであろうことなどを報告した。
続いて古川怜穏氏は「e-Axle潤滑油を用いた鋼の転がりすべり摩擦試験における印加電圧が摩耗挙動に及ぼす影響について」と題して、市販の電動車用トランスアクスルフルード(e-TAF)を用いて、ボールオンディスク形式の転がり滑り試験において、印加電圧の大きさや向き、印加時間および添加剤の有無が摩耗挙動へ及ぼす影響を調査した結果、通電条件下では摩耗量が増加、印加電圧を高くすると電食による凹凸が確認され、市販油は摩耗を抑制するものの、通電条件下では電食を促進させ、重大な損傷の原因となる可能性があると報告した。
さらに関 想太氏が「化学合成したタングステンジチオカーバメイト(WDTC)の潤滑性に関する研究」と題して、WDTCを合成し潤滑油を作製しSRV試験を行った結果、摩擦場で二硫化タングステン(WS2)を生成するWDTCを配合することで、摩擦場で二硫化モリブデン(MoS2)を生成するモリブデンジチオカーバメイト(MoDTC)と同等の摩擦低減効果、MoDTCよりも優れた耐摩耗性が得られ、高温においてMoDTCよりも潤滑性能の持続性の向上が確認されたことを報告した。
トライボサロンに関心のある方は、以下のURLを参照されたい。
https://tribo-science.com/salon