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トライボコーティング技術研究会、令和7年度第1回研究会・総会を開催、大森 整会長(理化学研究所)が再任
トライボコーティング技術研究会は6月13日、埼玉県和光市の理化学研究所で「令和7年度第1回研究会(第156回研究会)・総会」をリアルおよびオンラインによるハイブリッド形式で開催した。
当日はまず総会が開催され、令和5年度活動報告・会計報告がなされた後、令和7年度活動計画が報告され可決・承認された。役員改選では、会長に大森 整氏(理化学研究所 主任研究員)、副会長に熊谷 泰氏(ナノコート・ティーエス社長)と野村博郎氏(理化学研究所 大森素形材工学研究室 嘱託)がそれぞれ再任された。
再任された大森会長
総会後は、以下のとおり2件の講演がなされた。
「TiAlNコーティングエンドミルを用いた純ニッケルの工具摩耗機構に及ぼす切削点近傍環境の影響」澤 武一氏(芝浦工業大学)…燃料電池や半導体の需要の高まりから近年、苛性ソーダ製造装置に使われる純ニッケルの構造材としての加工需要も増加している。ここでは、純ニッケルの切削特性と工具摩耗特性を明らかにし、生産現場で活用できる知見とデータベースを作成することを目的に、切削点近傍環境が工具摩耗機構に及ぼす影響について考察。①純ニッケルは乾式切削に比べ水道水を供給するとTiAlN膜の酸化で摩耗が増大すること、②不水溶性切削油を供給するとTiAlN膜の酸化が抑制され摩耗が進行しないこと、③強アルカリ水を供給するとTiAlN膜の腐食で摩耗が増大すること、④工具刃先へのニッケルの付着(凝着)で切削抵抗が増加することを検証し、TiAlNコーティングエンドミルを用いた純ニッケルのミーリングでは、工具摩耗を抑制するため、酸化と腐食を抑制する切削点近傍環境の維持が肝要であること、と究明した。同氏は本テーマにより第17回岩木賞奨励賞を受賞している。このほか、「正面フライス加工における工作物のエッジ品質予測に関する研究」についての話題提供も行った。
講演する澤氏
「光量子技術を利用した社会課題の解決-農業からエネルギー、宇宙まで-」和田智之氏(理化学研究所)…各種の社会課題に対する光量子技術を駆使した取り組みの例として、軌道上から高強度レーザーを制御不能衛星などの宇宙ごみ(スペースデブリ)に照射して軌道を変え、ゆっくりと大気圏に再突入させて除去する「スペースデブリ除去技術」や、農業従事者の減少と高年齢化を背景に、重労働からの脱却と高効率・高品質な農作物の収穫を実現するためのIoT・AIを活用した「スマート農業」、これまで目視・手作業だったトンネルなどのインフラの保守保全作業を自動化・効率化するために開発した「レーザー高空間分解能計測」、「レーザー打音」、「レーザーコンクリート切断」などの「インフラの長寿命化を支える先進レーザー診断技術」、余剰エネルギーを水素で貯蔵してユーザーオンデマンドで活用、 AI による発電や消費動向の学習によって多様な電源/負荷に対応することでロスのない分散型電源を構築した「分散型水素エネルギーシステム」、さらには新型コロナウイルスに関して飛沫が拡散する様子の可視化やマスクの性能評価の手法、ウイルスを不活性化する「紫外線カーテン」の開発などについて紹介した。
講演する和田氏kat 2025年6月18日 (水曜日)