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日本精工、直動案内用潤滑ユニットの潤滑油供給能力を向上

6年 1ヶ月 ago
日本精工、直動案内用潤滑ユニットの潤滑油供給能力を向上kat 2019年11日14日(木) in

 日本精工は1996年に業界初の直動案内(リニアガイド)用潤滑ユニット「NSK K1TM」を販売開始し、機械・設備の長期メンテナンスフリー化に貢献してきたが、このほど、近年のスマートファクトリー化に伴うメンテナンスフリー化の要求に応えるため、潤滑油供給能力を大幅に向上させた新潤滑ユニット「NSK K1-L」を開発した。機械のメンテナンスサイクル延長に貢献する。本年12月から販売を開始する。

NSKリニアガイド用潤滑ユニットNSK K1-L

 

 直動案内は機械の直線運動を案内する要素部品として使用されるが、その性能を長く保つためには潤滑が重要になるが、生産現場ではこの潤滑のメンテナンスにかかる負担を減らすとともに、メンテナンスによる機械停止頻度を減らして生産性を上げることが求められている。

 同社では直動案内に潤滑油を供給する潤滑ユニット「NSK K1」を世界に先駆けて開発し、1996年の発売以来20年以上にわたって、機械の長期メンテナンスフリー化に貢献、またそのクリーンな潤滑方式は環境改善にも大きく寄与してきた。

 今回同社では、近年のスマートファクトリー化の進展によるメンテナンス間隔の延長や、環境への配慮からの省資源・省エネルギー化といったニーズに対応して、潤滑油供給能力を向上させた新しい潤滑ユニット「NSK K1-L」を開発したもの。

 開発品の特徴は以下のとおり。

1.潤滑油を多量に含有した樹脂で構成されており、内部の潤滑油が徐々に染み出すことによって長期にわたって直動案内に潤滑油を供給するが、さらに新開発の材料によって潤滑油供給期間が現行比約2倍に向上した。

2.レールとの接触構造を改良することによってスライダ駆動時の動摩擦力を約20%低減した。

3.潤滑ユニットをケースに収容。潤滑ユニットを保護して破損を防ぐとともに、外部からの異物の侵入を防ぐ。

kat

SKF、EVとICEの展開を見据え、円すいころ軸受の低摩擦化に取り組み

6年 1ヶ月 ago
SKF、EVとICEの展開を見据え、円すいころ軸受の低摩擦化に取り組みkat 2019年11日14日(木) in in

 SKFは、電気自動車(EV)が2024年までに全自動車販売のうち10%を占めることになると予想(Deloitte社による予測)される一方で、内燃機関(ICE)を搭載した乗用車が依然としてこの先何年もの間市場に残ると見て、両者で求められる円すいころ軸受の一層の低摩擦化に取り組んでいる。

低摩擦円すいころ軸受

 

 自動車分野では、燃料効率の改善と二酸化炭素(CO2)排出に対する世界的な規則を満たすために、ICEとトランスミッションのしゅう動部における摩擦損失低減が課題となっている。特にICEとEV車両のパワートレインにおける軸受への要求が強まってきている。

 摩擦による動力損失は、従来型およびハイブリッドタイプのパワートレインのCO2排出を増大し、バッテリー式電気自動車(BEV)の1回の充電で達成可能な走行可能距離を短くする結果となる。そのため自動車メーカーではギヤボックス、減速機および差動装置に標準設計の円すいころ軸受ではなく、低摩擦タイプの円すいころ軸受を採用する傾向にある。

 こうした中、SKFでは、特定のアプリケーションにおいて従来の円すいころ軸受と比べて動力損失を最大50%低減する低摩擦円すいころ軸受の開発に取り組んでいる。同社では、どんなアプリケーション向けにも特注製品を作ることのできる「ツールボックス」アプローチがあり、高度なシミュレーション技術を用いて各アプリケーションのニーズを特定した後、同社の技術者が接触角、転動体の数および寸法、さらに保持器の設計などのパラメーターを修正することで、高度に摩擦特性が最適化された円すいころ軸受を製作できる。

 EVが効率的に動作するには、車を動かすモータが超高速で回転する必要があり、使用する軸受に大きな負担がかかる。SKFでは、モータによる高速回転、加速度、温度に対する耐性を確保する軸受や樹脂製保持器、潤滑剤を開発している。

 自動車パワートレインの進化によって、軸受の性能要件の変更だけでなく、潤滑剤のフォーミュレーションの変更も余儀なくされる。パワートレインにおいて動力損失を低減するために、潤滑剤メーカーは低粘度オイルと特殊な添加剤を開発している。

 SKFでは、これら新しい潤滑剤が軸受に与える影響については調査を進めており、例えば、一部の潤滑剤では摩耗あるいは軸受軌道面と転動体間の表面疲労を充分に防止できないかもしれないとしている。それに対するソリューションの一つとして同社では、軸受部品の浸炭窒化処理技術が有用として、汚染された環境や潤滑不良にさらされている軸受の実用寿命の向上に取り組んでいる。

kat