メインコンテンツに移動

Aggregator

NTNテクニカルサービス、自動ピッキング用フィーダを開発

3ヶ月 1週 ago
NTNテクニカルサービス、自動ピッキング用フィーダを開発kat 2025年12日29日(月) in

 NTNの連結子会社であるNTNテクニカルサービス(NTS)は、製造現場の加工・組立工程向けに省スペース性と高速性を両立した、自動ピッキングを実現するパーツフィーダ「ROBOCLE(ロボクル)」を開発した。ROBOCLEは、2021年に同社が開発した「TRINITTE(トリニッテ)」に新開発のピッキングアクチュエーターを組み合わせることで、設置スペースを削減し、専門知識不要で多様なワーク形状の自動ピッキングを実現する。

 既存商品である高速ピッキング対応のTRINITTE、省スペース性を追求した「CHOXY(チョクシー)」、両商品の特長をバランス良く両立した新商品「ROBOCLE」の3種類のピッキング用フィーダの提案を進め、製造現場の省人化・効率化に貢献していく。NTSでは、2028年度にROBOCLE で2.5億円/年、CHOXYで 1億円/年の売り上げを目指す。

 労働人口の減少や生産性向上を背景に、製造現場ではワークの投入や整列などのピッキング作業の自動化が進められている。NTNは1970年代より、加工機へのワーク供給用パーツフィーダを開発・販売しており、現在では国内トップクラスの市場シェアを誇る。

 従来のパーツフィーダはワーク形状に応じて部品の段取り替えが必要だが、多品種少量生産が進む中、段取り替えなしで多様なワークをピッキングできるパーツフィーダが求められていた。

 こうしたニーズを受けてNTSは、2021年にピッキングロボット用フィーダ「TRINITTE」を開発した。TRINITTEは回転円盤上にワークを配置し、カメラとピッキングロボットを連携させることで、ワークの形状や姿勢に関わらず安定したピッキングを実現する。現在、電子機器部品や自動車部品などをはじめ、さまざまな分野で導入されている。

TRINITTEのシステム構成例

 

 TRINITTEは高い評価を得ているが、ピッキングロボットの設置スペースや、一定以上の性能を持つロボット、さらにティーチングに関する専門知識が必要な点が導入の障壁となっていた。

 NTSでは今回、より多くのユーザーにTRINITTEと同様に多様なワークの自動ピッキングを提供できるよう、省スペース性などを実現したROBOCLEを開発したもの。

 ROBOCLEは、TRINITTEと新開発のピッキングアクチュエーターを組み合わせたピッキング用フィーダ。従来のTRINITTEとピッキングロボットを用いた構成では設置スペースやティーチングの知識が必要なため、導入が難しかったユーザーに最適な商品で、TRINITTEが本体周辺にピッキングロボットを配置するのに対し、ROBOCLEは本体中心部に新開発のアクチュエーターを搭載するため、設置スペースを約25%削減しながらスムーズなピッキングを実現するほか、専用ユーザーインターフェースにより、専門知識がなくてもティーチングが可能。特長は以下のとおり。

・省スペース:システム中心にピッキングアクチュエーターを配置した設計を採用。TRINITTEの周囲に産業用ロボットや協働ロボットなどのピッキングロボットを取り付けることなく省スペースで設置が可能。TRINITTEとピッキングロボットを組み合わせた設置スペース(ロボット可動域を含む)と比較し、約25%削減

・高速性:「回る×取る」動作が同期し、スムーズなピッキングを実現。ピッキング[つかむ]→プレイス[置く]までの最小サイクルタイム約2秒

・簡単設定:高度なロボット知識やスキルなしで操作が可能な、現場で使いやすいピッキングシステムで、専用のユーザーインターフェースを提供することにより簡単に設定が可能。

ROBOCLEの構成例

 

 また、CHOXYは累計5000 台以上の納入実績を誇る「モノドライブ2ウェイフィーダ」と直線コンベア、ピッキングロボットを組み合わせたピッキング用フィーダ。TRINITTEやROBOCLEと比較して最も省スペースかつ操作設定がシンプルで、手軽にピッキングの自動化を実現したいユーザーに最適な商品となっている。

 CHOXYでは1台の直進フィーダでワークを安定整列させた後、直線コンベアで協働ロボットなどのロボット近くに搬送し、ロボットがピッキングする。ワーク品種や動作モードの切り替えなどの設定も簡単で、専門知識がなくても導入・運用できるユーザーセルフ運用に対応している。特長は以下のとおり。

・シンプルな構成:モノドライブ2ウェイフィーダと直線コンベア、ピッキングロボットとの組み合わせによるシンプルかつ安価なピッキングシステム

・省スペース:コンパクトな構成で省スペース化を実現

・ユーザーセルフ運用への対応:シンプルな構成・設定により、ユーザーセルフ運用が可能

モノドライブ2ウェイフィーダ

 

CHOXYのシステム構成例

 

 NTSはTRINITTE、ROBOCLE、CHOXYの3種類のピッキング用フィーダを用いて、ユーザーの使用環境やニーズに応じた最適な商品を提案し、多様なワークの自動ピッキングと製造現場の省人化・効率化に貢献していく。

kat

NTN、ポータブル異常検知装置の販売を拡大

3ヶ月 1週 ago
NTN、ポータブル異常検知装置の販売を拡大kat 2025年12日29日(月) in

 NTNは、「NTNポータブル異常検知装置」の販売を拡大している。本商品は設備の振動測定、ベアリング(軸受)の異常検知や損傷部位の推定が可能なコンパクトサイズのデバイス。設備の安定稼働に向けた予知保全の重要性が高まる中、高速・高精度な測定性能と、設置の簡便性や高い実用性などが評価され、幅広い業種で導入が進んでいる。同社は、本商品と関連するサービスの提供を通じて、製造現場における保全業務の効率化や突発的な故障に伴うダウンタイムの削減に貢献していく。

NTNポータブル異常検知装置

 

 同社は、電動機械(電動機、ポンプ、送風機、搬送機械)、プラント設備、工作機械、一般産業機械の設備保全、出荷検査などへの本商品および関連サービス、またこれらに起因する補修用軸受の適用を進め、2028年度に3億円/年の販売を目指す。

 近年、製造業やインフラ分野では、設備のダウンタイムの最小化に向けて、計画的な保全活動の強化や補修部品の早期確保など故障リスクを低減する取り組みが進められている。加えて、労働人口の減少を背景に、熟練者の経験に依存している設備の異常確認手段をデータ解析などのデジタル技術によって非専門的な方法に置き換えたいというニーズも高まっている。

 NTN ポータブル異常検知装置はこれらのニーズに対応する商品として、2020年に販売を開始した。製鉄や食品、製紙、化学、繊維などの製造業や機械加工分野に加えて、電力・ガス・水道やプラントを含むインフラ分野などの幅広い業種で、電動機、ポンプ、工作機械などの測定に活用されている。

 本商品を用いることで設備の軸受の損傷を早期に発見し、補修用の軸受に迅速に交換したことで設備の突発的な停止を防止できたなど、高い評価を得ている。

 2022年からは海外での販売も開始、特に経済成長が著しいアジア地域で販売を伸ばしている。

 NTNポータブル異常検知装置によるソリューション事例としては、以下などが挙げられる。

工作機械(内面研削盤 高周波スピンドル)の事例

・加工精度が低下した内面研削盤の高周波スピンドルをNTN ポータブル異常検知装置を用いて測定

・測定結果より軸受転動体の損傷の疑いが検出されたため、軸受交換を提案

・同社の補修軸受に交換後、再度測定した結果、振動値が大幅に低下したことを確認

・軸受交換の効果と、軸受交換作業が正常に行われたことをデータで確認

インフラ分野(上下水道 ポンプ設備)の事例

・軸受部の温度異常が発生したため、NTN ポータブル異常検知装置を用いて測定

・測定結果より、軸受そのものには異常がないため、別の原因があることを指摘

・同社にて設備図面を確認した結果、使用軸受が不適切であり、軸受以外の他の部品が摺動して発熱し、その熱が軸受に伝わった可能性を指摘

・異常の要因を切り分け、真の原因究明や設備の構造上の課題を突き詰め改善

 NTNでは、本商品の販売に加えて、設備保全業務におけるユーザーの困りごとを解決する各種サービスの拡充にも取り組んでいる。2023年には、これまで培ってきた軸受に関するノウハウ・専門知見を活用し、ユーザーの測定データの詳細分析と状態診断、それに加えて推定原因や推奨事項を提案する診断レポートサービスを開始した。さらに、本商品のレンタルサービスや、軸受および本商品の取り扱いや測定結果の診断方法を学べる講習会の開催、当社従業員による出張測定など、多彩なサポートサービスも提供している。

 NTNは中期経営計画「DRIVE NTN100」Finalの重要施策の一つとして、アフターマーケット・ビジネスの拡大を掲げており、2035年度には全売上高に占めるアフターマーケット・ビジネスの比率40%を目指している。この目標の実現に向け、NTNでは商品の選定から納入、使用、監視、分析、交換、保守管理に至るまで、軸受の運用全体を支援する軸受ライフサイクルマネジメントの強化に注力している。

 同社は今後も、NTNポータブル異常検知装置の販売や関連サービスの拡充に加え、軸受の状態監視を可能にする各種商品・サービスの開発、軸受の不具合原因の調査を含む分析サービスの提供などを通じて、軸受に関するあらゆる課題の解決に取り組み、NTNのブランド価値のさらなる向上と、アフターマーケット・ビジネスの一層の拡大を図っていく。

kat

NTN、iPS心筋細胞を効率的に精度よく配置するバイオプリンティング技術を開発

3ヶ月 1週 ago
NTN、iPS心筋細胞を効率的に精度よく配置するバイオプリンティング技術を開発kat 2025年12日29日(月) in

 NTNは、創薬分野における新たなバイオプリンティング方式として独自開発した「微細塗布装置」を用いて、iPS細胞由来心筋細胞(iPS心筋細胞)を実験用プレート上に効率的に精度よく配置(播種)する技術を開発した。従来の人手作業による配置を自動化することで、創薬実験の効率化や信頼性の向上、細胞の使用量削減に貢献する。

 微細塗布装置は、針の先端に付着させた数pL(ピコリットル:1兆分の1L)の液剤を1回あたり0.1秒と高速かつ±15μm(マイクロメートル:1000分の1mm)以下の精度で定位置に適量塗布する装置。自動車部品や半導体などの分野で多数の採用実績がある。同社では、その高速かつ定位置・適量の塗布技術を生かし、本商品のライフサイエンス分野への応用を進めている。特長は以下のとおり。

・定位置塗布:数pLの極少量の液剤を±15μm以下の繰り返し位置決め精度で目標位置に塗布

・高粘性対応:100Pa・sまでの高粘度な液剤の塗布が可能

・高速:1回あたり0.1秒の高速塗布

微細塗布装置の基本構成

 

 同社では今回、創薬実験において、iPS心筋細胞の働き(拍動)を検出するため、微細塗布装置を用いて細胞を実験用プレートに精度よく配置することに成功した。これは、大阪大学大学院 工学研究科 NTN次世代協働研究所による成果を含む。

 細胞を用いた機能評価試験や薬効評価は、作業者の違いなどにより、同じ実験を同じ条件で行っても再現性を確保することが難しいとされている。本技術においては、細胞濃度や塗布針の位置・形状・表面粗さなど実験結果に影響するパラメーターやアルゴリズムを独自に特定・制御することで、定位置・適量配置を実現した。これにより、実験結果の信頼性・再現性の向上に貢献する。

 微細塗布装置を適用した創薬実験例としては、以下などが挙げられる。

・多電極アレイ上へのiPS 心筋細胞の精密配置による細胞外電位の検出実験
 直径3~6mm×深さ10~13mmの多数の凹み(マルチウェル)の底に電極を設けたプレート(多電極アレイ)上の電極上に適量のiPS心筋細胞を配置し、心臓の拍動など細胞の電気的な活動を測定する創薬実験において、電極上にiPS心筋細胞の必要量のみを定位置に配置し、より正確な細胞の拍動の測定が可能となった。

・マルチウェルプレート上へのiPS心筋細胞の配置による薬剤評価実験
 直径3~6mm×深さ10~13mmの多数の凹みを設けたプレート(マルチウェルプレート)を用いて、一度に大量の薬剤評価を行う手法(ハイスループット評価系)において、一定量のiPS心筋細胞を各凹みに高密度かつ高速に配置することで小さな心筋組織の構築が可能となった。正確で再現性の高い薬剤反応の測定ができるだけでなく、細胞への負荷を抑える配置方法により高い細胞生存率を確保する。

 微細塗布装置を創薬実験に用いるメリットは以下のとおり。

・定位置・適量配置:細胞をセンサー上など狙った場所に適量を正確に配置し、細胞の働きを正確に検出し、正確な実験結果の取得が可能

・効率化と再現性:細胞配置の自動化により、人手作業によるバラつきがなく効率的かつ再現性の高い実験が可能

・細胞の節約:必要な量だけを正確に配置することで、高価な細胞を無駄にすることなく使用量を削減

 NTNは創薬市場に向けて微細塗布装置の提案を進めるとともに、病気などで機能を失った組織や臓器を再生させる再生医療における本商品の適用を進め、ライフサイエンス分野の事業化を加速させていく。

 NTNは、持続的成長に向けてライフサイエンスを含む六つの研究分野を新たなターゲットとし、外部研究機関と連携しながら、事業化に向けた取り組みを推進している。2024年4月には「未来創造開発本部」を設立し、新領域におけるマーケティングから開発・研究、生産を同一部門で運営することにより、市場・顧客ニーズに合致した新商品・サービスの創出に取り組んでいる。

 今後も各研究分野の開発活動を加速し、さまざまな社会課題の解決を進めることで、持続可能な「なめらかな社会」の実現を目指していく。

kat