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JAST、トライボロジー会議 2024 秋 名護を開催

8ヶ月 3週 ago
JAST、トライボロジー会議 2024 秋 名護を開催kat 2024年11日28日(木) in

 日本トライボロジー学会(JAST)は10月31日~11月1日、沖縄県名護市の万国津梁館で、「トライボロジー会議 2025 秋 名護」(実行委員長:九州大学・澤江義則氏)を開催した。会期中は約650名が参加した。

実行委員会の集合写真:会場の万国津梁館にて

 

 今回は、「機械要素」、「潤滑剤」、「分析・評価・試験方法」、「メンテナンス」、「摩耗」、「加工・製造技術」、「摩擦」、「表面・接触」、「表面処理・コーティング」、「バイオトライボロジー」、「流体潤滑」、「マイクロ・ナノメカニズム」、「疲労」、「境界潤滑」、「トライボケミストリー」、「摩擦材料」、「シミュレーション」のテーマによる一般講演と、「ヤングトライボロジストシンポジウム」、「カーボンニュートラルに挑む自動車のトライボロジー技術の最前線」、「電動車用潤滑油最前線―EV、HEV用潤滑油の現状と今後の展開―」、「工作機械におけるトライボロジー技術の応用」、「炭素系硬質薄膜の潤滑油中・真空中におけるトライボロジー特性」、「高分子材料のトライボロジー技術の最前線」、「5th Japan-Korea Tribology Symposium: Automotive Tribology」、「水素エネルギーとトライボロジー」、「転がり疲れ研究の最前線」、「シールにおけるトライボロジー技術」のテーマによるシンポジウムセッションで、全305件の発表がなされた。

一般講演のようす

 

シンポジウムセッションのようす:水素エネルギーとトライボロジー

 

 また、31日には特別講演会が開催され、沖縄科学技術大学院大学(OIST)神経計算ユニット 教授の銅谷賢治氏が「楽しい大学のつくり方~OISTで拓く脳とAI研究~」と題して、また、沖縄美ら島財団総合研究所 琉球文化財研究室 室長の幸喜 淳氏が「首里城美術工芸品の現状とこれから~修理と人材育成~」と題して、それぞれ講演を行った。

特別講演のようす:幸喜 淳氏


 同日に開催された「懇親会」では冒頭、沖縄の伝統芸能であるエイサーと獅子舞のパフォーマンスが行われた。

エイサーと獅子舞のパフォーマンス


 続いて挨拶に立った江上正樹JAST会長(NTN)は、「先日テレビで、沖縄から世界に向けて、三線、エイサー、獅子舞、棒術のパフォーマンスを発信する番組を観た。その際には遠い国の話のように感じていたが、いま舞台を見て、また本日の特別講演を聞いて、沖縄を非常に身近なものに感じている。これもひとえに、今回、名護でのトライボロジー会議の開催を実現させた実行委員各位の尽力、知恵と工夫の賜物で、これだけ多くの参加者を動員し、集まれる場を作ってもらったことに感謝したい。トライボロジー会議も明日一日を残すのみとなったが、新しく出会った方々や旧知の方と酒を酌み交わして、ぜひ明日の活発な議論につなげてほしい」と語った。

挨拶する江上正樹JAST会長


 続いて、澤江義則 トライボロジー会議 2024 秋 名護 実行委員長は、「先週、沖縄に台風直撃の予報が出た時には実行委員長を引き受けたことを後悔したものだが、各位の尽力と支援のもと、300件を超える講演があり、650名近くが参加するなど、トライボロジー会議を無事に成功裡に開催することができて、非常に喜んでいる」と挨拶し、乾杯した。

挨拶する澤江義則 実行委員長


 懇親会ではそのほか、次回以降のJAST主催イベントの案内として、2025年5月26日~28日に東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開催予定の「トライボロジー会議 2025 春 東京」と、2025年10月8日~10日に北海道函館市の函館アリーナで開催予定の「トライボロジー会議 2025 秋 函館」について、開催概要や見どころなどがそれぞれ紹介された。

 会期中は「企業技術・製品展示コーナー」が設けられたほか、出展企業数社による製品PRやサービスについての企業プレゼンテーション(ランチョンセミナー)が実施された。

企業技術・製品展示コーナーのようす

 

企業プレゼンテーション(ランチョンセミナー)のようす:東陽テクニカ

 

kat

JIMTOF2024が開催、bmt関連製品・技術が多数披露

8ヶ月 3週 ago
JIMTOF2024が開催、bmt関連製品・技術が多数披露kat 2024年11日28日(木) in in

 世界最大級の工作機械見本市「JIMTOF2024(第32回日本国際工作機械見本市)」(主催:日本工作機械工業会(日工会)/東京ビッグサイト)が11月5日~10日の6日間にわたって、東京都江東区の東京ビッグサイトで開催された。

 JIMTOF2024は、東京ビッグサイト全館を利用して総展示場面積11万8540m2で開催、中国、台湾、ドイツ、スイス、韓国、米国など19カ国・地域の企業・団体が出展した。合計出展者数は1262社/5743小間と、2022年に開催した前回JIMTOF2022に比べ175社/125小間増え、60年以上の歴史で最大規模の開催となった。

 ここでは、工作機械の高精度化や大型部品加工に対応する大型化、周辺機器を取り込んでの自動化といったトレンドに対応するベアリング&モーション技術(bmt)関連製品・技術の一端を紹介する(掲載は50音順)。

 イグスは、工作機械業界向けにエンジニアリングプラスチック技術を活かしたケーブル保護管「エナジーチェーン」や可動ケーブル「チェーンフレックス」、すべり軸受、リニアガイドなど幅広い可動部品向け樹脂(モーション・プラスチック)製品を紹介した。中でも新製品として、磁石でエナジーチェーンを金属製の壁に保持できる「マグスナップ エナジーチェーン」を紹介した。長い吊り下げ走行で、スペースに制限がありガイドチャンネルによるガイドが不可能な場合に使用できる。磁石がエナジーチェーンを定められた方向に保持し、システムの金属面に固定することで、エナジーチェーンの揺れを防ぐ。磁石がエナジーチェーンの外周半径を「RBRガイドチャンネル」に保持することで、エナジーチェーンを安全かつ静かに動かすことができるため、垂直の回転動作(RBR)にも最適。また、機械や設備などの画像からAIが無潤滑化による環境負荷の低減やコストカットにつながるモーション・プラスチック部品を提案するアプリ「igusGO(イグスゴー)」も提案した。

イグス 「マグスナップ エナジーチェーン」


 NTNは、工作機械主軸用グリース潤滑高速軸受と同軸受向け樹脂保持器、グリース、給油ユニットなどを披露した。工作機械主軸用グリース潤滑軸受向け保持器は、グリース潤滑軸受用の成形樹脂保持器として業界最高水準の高速回転性能となるdmn値(ピッチ円直径(mm)×回転速度(min-1))で135万を実現する。また、工作機械主軸用グリース潤滑軸受向けの高速・長寿命グリースは、業界最高水準となるdmn値190 万の高速回転に対応する。さらに、グリース潤滑軸受向け潤滑油給油ユニットは、グリース潤滑軸受の高速回転時の課題であるグリースの劣化を抑制し、高速回転領域であるdmn値190万におけるグリース潤滑軸受の採用を可能にする。

NTN「工作機械主軸用グリース潤滑高速軸受」


 黒田精工は、精密平面研削盤で培った技術を生かした新商品として、精密ロータリー研削盤「GSR-600」を展示した。独自の油動圧とベアリングを組み合わせた高精度テーブルを有し、優れた操作性、さまざまなアプリケーションの対応で高精度な加工を容易にする。また、精密平面研削盤「GS-126CVs」を紹介。高効率加工を実演するウルトラファイルバブルをはじめとしたオプションを搭載し、省エネ、省スペースを両立した環境対応モデルとなっている。さらに、従来の段取り時間を80%削減できる精密油圧治具「ハイドロリックツール」を紹介した。時間のかかる「芯出し作業」を誰でも簡単に実現する精密油圧治具で、ブースでは、精密減速機、半導体市場に向けた用途別の対応例を多数展示。自動化提案としては、そのハイドロリックツールと協働ロボットを搭載した精密成形平面研削盤「GS-45Vs」を披露、加工から測定までを高精度に自動化できることを訴求した。

黒田精工 「ハイドロリックツール」


 ジェイテクトは、グリース潤滑での高速回転に対応した、工作機械主軸用軸受「ハイアビリーJFASTTM」を紹介した。消費電力の大きいオイルエア潤滑に置き換わるグリース潤滑によって、カーボンニュートラルに貢献できる。グリース潤滑用に最適設計したPEEK樹脂製の保持器を採用した、高速性と低昇温性に優れた工作機械主軸用軸受で、アンギュラ玉軸受では、世界初のグリース潤滑でdmn値180万を達成(同社調べ)。軸受の昇温は従来品比約30%低減し、グリース寿命は約20%向上した。円筒ころ軸受では、グリース潤滑でdmn値150万を達成。軸受の昇温は従来品比約40%低減し、グリース寿命は約20%向上した。この二つの軸受を採用することで、#40サイズで20000min-1の回転が可能な主軸を提案。これにより、主軸の潤滑方式をオイルエア潤滑からグリース潤滑へ置き換えることができ、主軸エア消費量をオイルエア潤滑に比べて約60%削減できる。
 

ジェイテクト「ハイアビリーJFAST アンギュラ玉軸受」


 THKは、人財スキルデータをクラウド上で可視化し教育計画の立案から進捗管理もできる「OMNIedge スキル管理AIソリューション」を紹介した。OMNIedgeに集約された設備保全データやセンサーデータに、「Skillnote」が管理する人財スキルデータを統合することで、生産設備を扱う人財のアサイン最適化と、データに基づいた戦略的な人財育成ならびに設備保全計画の立案を支援するもの。どの設備を、誰が、どの程度、操作や保全できるかといったスキルデータを設備保全データと組み合わせ、より包括的な管理とデータ活用を可能にするサービスで、これによって設備と人に起因するロスを低減し、OEE(設備総合効率)の最大化に貢献する。また、ISO規格準拠寸法の超低ウェービング ボールリテーナ入りLMガイド「SPH形」を初披露した。8条列構造と小径ボールを採用することで直動案内トップクラスの超低ウェービングを実現。これにより、測定精度の向上や位置決め精度の向上、加工面品位の向上に寄与し、ナノメートルオーダーの運動精度が求められる分野にも対応が可能となる。

THK「OMNIedge スキル管理AIソリューション」


 日本エスケイエフは、軸受、潤滑システム、シール、エンジニアリングサービス、状態監視装置など、工作機械における回転機械の性能を最適化するさまざまなソリューションを紹介した。工作機械用軸受では、新熱処理、内部構造の最適化、新保持器などを採用して最大20%の高速化を実現した「ウルトラファスト・シリーズ」と、高速・高荷重の過酷なニーズに応じてテーラーメイドで設計される「エクストリーム・プラットフォーム」を初披露した。また、エアレス潤滑を可能にする、高精度・極微少量オイル計量装置「インジェクションオイラー」を紹介。厳しい用途に対応して自由な形状・素材・寸法で切削加工により製造し1個単位で提供可能な「切削加工シール」については、耐クーラント特性や耐摩耗性の高いターンテーブル回転機構部用シールや耐久性や信頼性の高いターンテーブルブレーキ機構部用シールなどに適用できることを訴求した。

日本エスケイエフ「切削加工シール」


 日本トムソンは、潤滑部品Cルーブ内蔵のリニアローラウェイスーパーX「MX Master Grade」を披露する。標準の超ロングユニットに対して脈動を大幅に低減し、高精度で高品位な加工が要求される超精密加工機などの軸案内に最適な製品であることをアピール。会期中は、初出展のデモ機を展示した。また、従来のニアローラウェイスーパーXに対して、ローラー寸法の変更やローラー幅(長さ)方向の押さえ構造の変更などを行い、低脈動の頂点である「走行振れ0」に挑戦したコンセプトモデル「次世代リニアローラウェイスーパーX  ZERO」も披露。さらに、カーボンニュートラルに向けたエコプロダクツの提案として、Oil MinimumをキーワードにCルーブ・メンテナンスフリーシリーズや液晶潤滑シリーズを紹介、調達時の大幅なCO2削減が図れることを訴求した。

日本トムソン CルーブリニアローラウェイスーパーX「MX Master Grade」


 日本ベアリングは、同社の強みとする、スライドウェイ・スライドブッシュを中心に直動製品と、それらを使ったデモ機を多数展示した。スライドウェイはローラーを使用した非循環方式のクロスローラーガイドで、リニアガイドと比較して、①コンパクト設計、②軽く滑らかな動き、③高剛性・高精度の特長があり、半導体製造装置、検査装置、光学機器で主に適用されている。特に新開発の高剛性・高負荷容量・コンパクト化を実現したスライドウェイ「HV形シリーズ」では、従来品と比べ許容荷重・定格寿命距離が向上。従来品のSV形シリーズと完全互換性があるため、置き換えだけで装置・設備の耐久性向上に貢献し、同等性能でサイズダウンとコンパクト化が可能となる。腐食しやすい箇所でも十分に性能を発揮するオールステンレス仕様もラインアップしている。同社ブースでは、スライドウェイを使ったことがない来場者にも分かりやすいように、製品の特長や使い方を説明したパンフレットを用意しているほか、直動製品の具体的な使用方法や設計のヒントになるよう、製品活用事例集やデモ機も配置した。

日本ベアリング「スライドウェイシリーズ」


 日本精工は、工作機械向け低フリクションボールねじ「MT-Frix™」を披露した。独自の解析技術でボールと溝の接触状態を高精度に解明して内部仕様を最適化し、寸法はそのままに、剛性を維持しながら動摩擦トルクを低減。これにより、大幅な低発熱化を実現し、工作機械の高い位置決め精度を維持するとともに省エネルギーに貢献する。また、工作機械主軸用精密単列円筒ころ軸受「ロバストライド™(ROBUSTRIDE™)」を紹介。電力消費量が少ないグリース潤滑方式におけるグリース寿命と許容回転数の向上により、軸受の長寿命化と高速化を実現。軸受の交換頻度の低減や、使用回転速度域の拡大など、工作機械の生産性向上に貢献する。さらに、設備診断エキスパートが支援する「状態監視ソリューション」を紹介。ユーザーの重要な設備における保全の最適化、省人化、製品品質の改善など、ものづくりDXを実現。高度診断AIと経験豊富な診断エキスパートによる遠隔監視が可能となる。

日本精工 工作機械向け低フリクションボールねじ「MT-Frix」


 ハイウィンは、日本初出展製品として、トルクモーターロータリーテーブル「RAB630」を披露した。同社のロータリーテーブルはゼロバックラッシュ・ダイレクトドライブ(DD)方式で豊富なラインアップが特長。RAB630は最高回転数 1000min-1、5軸同期加工を可能にする高速型で、航空宇宙部品や医療、EV等の産業における需要急増に応える、高い加工効率と精度を実現。特にフライス加工や複合旋盤の進化に貢献する。また、スマートマニュファクチャリングに貢献する状態可視化システム搭載の直動製品「i4.0シリーズ」を紹介する。温度や振動の異常検知、機器の寿命予測を可能にし、チョコ停を予防することで高い生産効率を維持するほか、スマート潤滑機能により給油量を適切に減らすことで、環境負荷の低いものづくりを後押しする。ボールねじi4.0BS®のほか、半導体業界で活躍するリニアガイドウェイi4.0GW®、モジュール設計でスマートな生産管理を推進するi4.0単軸ロボットを展示した。

ハイウィン「i4.0シリーズ」

 

kat