メインコンテンツに移動

Aggregator

ポリプラ・エボニック、耐溶剤分離膜膜が国内最大級のバイオディーゼル燃料の生産工場で稼働開始

7ヶ月 ago
ポリプラ・エボニック、耐溶剤分離膜膜が国内最大級のバイオディーゼル燃料の生産工場で稼働開始kat 2024年12日27日(金) in

 ポリプラ・エボニックの耐溶剤分離膜「PURAMEM®(ピュラメムTM)」が採用先のバイオディーゼル燃料生産工場において順調に量産稼働を開始した。

 2023年にパートナー企業であるRITAとの連携にて、国内大手のバイオディーゼル燃料メーカーであるダイセキ環境ソリューションに採用されたPURAMEM®は、すでに採用前のテスト段階において既存の分離システムに比べ、大幅な生産性向上に成功していた。 今回の量産化でもこの優れた生産性を保持したことにより、年間精製能力は1200kLとなり、蒸留装置の約17倍に相当する。PURAMEM®膜の採用決定後、製造設備への導入、テスト稼働などを経て、無事に立ち上げが完了したもの。

 精製工程にPURAMEM®膜を使用することで、ほとんど全ての不純物の除去に成功し、非常に高品質なバイオディーゼル燃料(FAME=脂肪酸メチルエステル)を精製できる。さらに、蒸留システムを用いないため、熱分解することなく、高収率での製品化が可能。また、膜分離法は燃料を高温処理する必要がなく、危険性もなく安全かつ安価なプロセスとなっている。

 バイオディーゼルは、植物油(または廃食用油)、動物油脂またはリサイクルされたグリースを原料として、エステル交換反応により製造された軽油代替のバイオ燃料で、軽油代替としてカーボンニュートラルの考えに基づき、CO2の排出量を抑制でき、SDGs実践に貢献できる。バイオディーゼルの品質は原料によって異なり、適切な前処理プロセスを行うことが重要。バイオマス資源が少ない日本では、廃食用油は有効な資源として注目されており、回収してバイオディーゼル燃料化する事業は少しずつ普及し始めている。廃食用油を有効にリサイクルするため、食料需給への影響もない。

 ポリプラ・エボニックでは最も省エネで生産性の高いシステムである膜分離によるサステナブルな社会の実現を目指し、パートナー企業とともに将来の持続可能な社会構築に貢献できるよう、今後も展開を進めていく。

耐溶剤ナノろ過膜PURAMEM

 

分離膜による精製処理設備

 

ダイセキ環境ソリューションのバイオエナジーセンター

 

kat

THK、低透磁率LMガイドの受注を開始

7ヶ月 ago
THK、低透磁率LMガイドの受注を開始kat 2024年12日27日(金) in in

 THKは、強磁場環境でも高精度で安定した直線運動を実現する低透磁率LMガイド「HSR M3形」の受注を開始する。

 同社はこれまで、特殊な環境下での使用に適した「特殊環境用LMガイド」を、豊富な実績のあるHSR形で展開した。最高使用温度を150℃まで向上させた高温用LM ガイド「HSR M1形」、高耐食ステンレス鋼を採用し優れた耐食性を発揮する高耐食LM ガイド「HSR M2形」をすでに上市しているが、今回新たに「HSR M3形」をラインアップした。

 HSR M3形は、磁場の影響を受けにくい低透磁率のLMガイド。LMレールとLMブロックに低透磁率材料を使用することで磁場環境下でも製品性能を発揮することができるため、磁場を気にすることなく設計することが可能。MRI装置や各種試験装置などの強磁場が発生する装置でも、HSR M3形を用いることで磁場の影響を受けず、スムースな動きを実現する。

 HSR M3形の特長は以下のとおり。

・比透磁率1.02以下の低透磁率:構成部品に低透磁率材料を使用することで比透磁率1.02を達成し、磁場環境下でも製品性能を発揮。また、40HRC以上の硬度を有しているため、低透磁率材料として知られているSUS 316と比べ大きな荷重を受けることが可能。

・4方向等荷重:LMブロックに作用する4方向(ラジアル方向・逆ラジアル方向・横方向)に対して、同一定格荷重になるよう各ボール列を接触角45°で配置することであらゆる姿勢での使用が可能となり、より幅広い用途に使用できる

・世界標準を確立したHSRシリーズで低透磁率を実現:高品質、高性能により世界中の多くの機械・装置に使用されてきたHSRシリーズで低透磁率を実現。ロバスト性、負荷能力、高精度、さらに扱いやすさで、長期間にわたり高精度で安定した直線運動を提供

低透磁率LMガイド「HSR M3形」

 

kat

空スペース、アメリカ・中国で自律分散式転がり軸受の特許権を譲渡、特許権訴訟の証拠集めも

7ヶ月 ago
空スペース、アメリカ・中国で自律分散式転がり軸受の特許権を譲渡、特許権訴訟の証拠集めもkat 2024年12日27日(金) in

 空スペースは、保持器なしで転動体(ボール)同士を非接触にする技術、ADB®(Autonomous Decentralized Bearing/自律分散式転がり軸受)のアメリカと中国の特許権について譲渡先を募集する。

 同社にはこれまで、国内だけでなく海外の企業からもADB特許権の譲渡についての打診があり、国内では主に市販軸受の改造によって2000個余りのADBを販売しているものの、海外企業との取引は少量のサンプル販売に留まっていた。そこで、有効活用がなされていなかったADBのアメリカと中国の特許権について具体的な譲渡額を公示して取引を進めることで、海外ビジネスを推進していく。

 一方で空スペースでは、自動車用高速ターボチャージャー軸受などについて国内で進めているADBの特許権侵害訴訟に関して、米国の譲渡先企業が訴訟相手に証拠開示を請求できる「ディスカバリー制度」などを利用して国内訴訟で有利になるADBの特許権侵害の証拠収集にもつなげたい考えだ。

 ボールが軌道以外と非接触で保持器が不要なADBでは、大別して①省エネルギーと②損傷防止の効果がある。潤滑油の種類や供給方法、軸受の使用状況によって各効果の度合いは違ってくるが、たとえば潤滑油量を1/100に減らせれば省エネにつながり、潤滑油量の削減を1/10程度にとどめれば損傷防止の効果が増す。

 こうしたことからADBは、自動車用高速ターボチャージャー軸受や風力発電用主軸・ピッチ軸受、従来軸受では困難な極低温での使用が可能な液化水素作製の圧縮機・ポンプ用軸受、グリースとシールが不要な海水潤滑軸受(海洋研究開発機構でトルク1/100を確認)、軸受の破損保持器片(金属)混入の恐れがないリチウムイオン電池(LiB電池)製造ライン向け軸受、高温限界を超えるタービンや加熱炉向けの軸受などで適用できることが確認されている。

 例えば自動車用ターボチャージャー用軸受としては、現状すべり軸受が主流のため流体潤滑下で用いられるが、高レスポンス化を目的に転がり軸受に切り替えようとする際には、高速・高温に対応する潤滑や保持器の工夫は避けて通れないが、保持器を持たず潤滑に頼らないADBでは潤滑問題に関するユーザーの負担が減らせる。自動車用ターボチャージャー軸受けではすでに、ADBの特許が使用されていると見られている。

 また、風力発電用主軸・ピッチ軸受については、風力発電装置大手のデンマークVESTAS社の風車の大幅な出力向上と故障減少にADBが寄与した可能性がうかがえる。

 アメリカ・中国でのADB特許権譲受者は、自動車用高速ターボチャージャー軸受など上述の幅広いアプリケーションでの適用が可能な、ADBの当該国での製造・販売・輸出入が可能となる。

 空スペースの河島壯介社長は、「ADBの特許権が無断で使用されていると考えられる自動車用高速ターボチャージャー軸受や風力発電用主軸・ピッチ軸受、LiB電池製造ライン向け軸受について、ADB特許権譲受者がADBの適用を進める中で、譲受者は当該国においてそうしたアプリケーションに関して特許侵害訴訟を起こすことも想定しており、その際に当社は、主に技術内容について可能なサポートをしていく。日本の特許権侵害訴訟では、侵害を訴える場合、その立証責任は特許権者である当社にあって、訴訟相手には特許侵害の証拠集めが要求されるが、訴訟相手に米国のように、訴訟相手が特許権を侵害していないという証拠開示を求めることができず、特許権の侵害を認定するための証拠集めが容易ではなく、特許権侵害行為を放置せざるを得ない『侵害した者勝ち』となるケースが少なくない。今回、有効活用がなされていなかったADBのアメリカと中国の特許について具体的な譲渡額を公示しつつ特許権の譲渡を進めることを通じて、海外ビジネスを推進していく。その一方で、自動車用高速ターボチャージャー軸受など、国内で進めているADBの特許権侵害訴訟に関して、米国の譲渡先企業が訴訟相手に証拠開示を請求できるディスカバリー制度などを利用して、国内訴訟で有利になるADBの特許権侵害の証拠収集にもつなげていきたい」と語っている。

ADB特許権の譲渡概要

 

kat

高機能トライボ表面プロセス部会、第25回例会を開催

7ヶ月 ago
高機能トライボ表面プロセス部会、第25回例会を開催

 表面技術協会 高機能トライボ表面プロセス部会(代表幹事:岐阜大学 上坂裕之氏)は12月16日、名古屋市千種区の名古屋大学 EI 創発工学館で第25回例会を開催した。

 今回は上坂代表幹事から開会の挨拶の後、以下のとおり、講演が行われた。

挨拶する上坂代表幹事

「ガスインジェクションパルスプラズマCVD法を用いたa-C:H膜の超高速成膜」針谷達氏(岐阜大学)…真空中のガス流を利用したプラズマCVD法により、従来法より一桁以上高速なDLC形成を可能にするガスインジェクションパルスプラズマCVD法(GIPP-CVD法)を開発。Ar とC2H2の混合ガスを流れを持たせて導入し、基板ステージ近傍に低速プラズマ流を生成させるGIPP-CVD法によって、DLC成膜速度2.5μm/min以上、ナノインデンテーション硬さ18 GPaと、DLCの優れた機械的特性を有したまま超高速な形成が可能であることを示した。

「Effect of Increasing Residence Time of Methane on Amount of Exhausted Methane in DLC Coating with Plasma CVD」上坂裕之氏(岐阜大学)…DLCのプラズマCVD法による成膜において、流入させたガスの90%以上がプラズマ中で未反応の状態で排気されていることから、原料ガスの高い成膜効率でのプラズマCVDプロセスについて検証した。原料ガスであるCH4分解率に着目し、放電プラズマ内の原料ガスの滞在時間が長くなると1μm成膜ごとに原料ガスの排気が1/100程度に減り、滞在時間を上げると原料ガスの有効利用につながる、と述べた。

「工具・金型への多結晶ダイヤモンド被膜の適用と課題解決事例の紹介」岡本浩一氏(新明和工業)…ダイヤモンドコーティング超硬工具リサイクルに貢献する、刃先が丸くならずに超硬素材にダメージを与えずに除膜できるイオンエッチング装置や、工具の硬化(プラズマ窒化)と刃先の先鋭化の複合処理を実現できるプラズマイオン処理装置、ダイヤモンドコーティングを再コートできるダイヤモンドコーティング装置を紹介した。

「過飽和窒素固溶化による型材表面のナノ構造化;ステンレス鋼・CoCrMo超合金の型材化を事例として」相澤龍彦氏(表面機能デザイン研究所)…過飽和窒素処理(MNS処理)を施した医療用CoCrMo超合金型材の硬さ試験と摩擦摩耗試験の結果では、表面硬度が1500HVとセラミック部品に匹敵する表面硬度を、ドライ環境での摩擦係数μが0.45と化学的安定性ゆえに低摩擦・低摩耗を示した。また、MNS処理した超合金型による高強度ステンレス鋼・チタン合金の高圧下率鍛造では、500MPa級の微細結晶粒材のニアネット鍛造を実現した。

開催のようす

 

kat 2024年12月27日 (金曜日)
kat