日本精工(Tel.03-3779-7050、 http://www.jp.nsk.com/ )は、鉱山用ベルトコンベヤ向けに、低トルクで密封性に優れたシールを採用することで従来より信頼性を向上させた高密封軸受を開発した。
BRICsを中心とする経済成長で世界的な資源不足から豪州・南米などをはじめとして積極的な投資がなされ、鉱山開発も活況を呈している。これに伴い鉱山機械のフル稼動体制などによる生産性向上のため、鉱山設備の信頼性向上に寄与する軸受需要の拡大が見込まれている。
NSKではこれに対し、自動車用ハブユニットで実績のあるシールユニット構造をコンベヤローラ軸受に適用、高密封シールと軸受を一体化することによって、雨、泥水、粉塵などの異物が侵入しやすい環境下で低トルクと密封性を両立させた信頼性の高いコンベヤローラ軸受を開発した。
従来軸受とシールが別体構造であったコンベヤローラの支持軸受に高機能専用シールを一体化、これによりラビリンスシールやグリース封入が不要となりコンベヤローラの組み立てが簡素化できる。また、高機能専用シールを装着したことにより、同社耐水試験では、現行品(軸受+ラビリンスシール)に比べ軸受内部に水が入り始めるまでの時間を約3倍にできたことが確認されたほか、同社粉塵試験でも粉塵の侵入は認められず、軸受のメンテナンス期間を延長できる。さらにシールの形状やリップ接触圧を最適化することで、現行品に比べ動トルクを50%減少することができ、駆動動力の低減が可能となる。
NSKでは、同品が低トルク・長寿命化による省資源に貢献することを前面に販促、コンベヤローラ用途で2010年度に年間2億円の売上を目指す。