不二越は、本年2月から、需要拡大が見込まれ部品の高精度化、小型化が求められる電機・電子、EV、減速機分野をターゲットとして、よりコンパクトな複合加工機、スカイビングギヤシェープセンタ「GMS100」を市場投入した。年100台の販売を目指す。
ものづくりの現場では、顧客ニーズの多様化に対応するため、多種変量生産対応、自動化、効率化が求められ、工程の集約、複合加工に対する期待が高まっている。また、カーボンニュートラルに向けて、エネルギーロス低減などが求められている。
同社では、2016年に建設機械・産業機械分野に向けて、工程集約型歯車スカイビング加工機「GMS450」を開発。2018年には自動車・減速機分野向けに「GMS200」を発売、ものづくりの現場の効率化に貢献してきた。
今回開発したスカイビング ギヤシェープセンタ「GMS100」では電機・電子、自動車、減速機、航空機、医療機器関連市場の小型部品をターゲットにしており、以下のような特徴を持つ。
・歯車加工の全プロセスを1台に集約した複合加工機:独自の精密同期制御により、スカイビングに加え、ホブ、旋削、穴あけなど、歯車部品の全加工プロセスを1台に集約。ワンチャックでの加工を可能とし、ワークの掴み替え、搬送、段取り替え工程を削減する。熱処理後のハード加工にも対応し、加工精度と生産性を飛躍的に向上
・高精度・高能率:新開発の高トルクスピンドルと、工具ホルダには複合加工機に最適なCaptoを採用し、歯車精度はJIS N5級以上を確保。旋削・穴あけ工程では、送り軸の高速オシレーション制御により、高能率な加工を実現
・設置スペース半減:旋盤、穴あけ加工機、歯切り加工機など複数の機械でラインを構成する場合と比較し、設置面積を54%削減
・広い適用範囲:高剛性の機体と多軸同時制御機能を用い、自由曲面の高精度加工にも適用可能(インペラ、タービンブレード、ねじロータ、人工関節など)
仕様は以下のとおり
・対象ワーク外径:φ3~φ100mm
・対象モジュール:m0.25~m1.10
・自動工具交換装置:工具収納本数6本・22本から選択
・機械サイズ:幅2425mm×奥行3320mm×高さ1650mm