安川電機は10月13日に、新型パレタイジング用途ロボット「MOTOMAN-PL」シリーズのラインナップとして「MOTOMAN-PL190」(可搬質量190kg、最大リーチ3159mm)、「MOTOMAN-PL320」(可搬質量320kg、最大リーチ3159mm)、「MOTOMAN-PL500」(可搬質量500kg、最大リーチ3159mm)、「MOTOMAN-PL800」(可搬質量800kg、最大リーチ3159mm)の4機種を販売開始した。ロボットコントローラ「YRC1000」に対応し、省エネ性能、メンテナンス性を向上した。食品・薬品・化粧品製品などの箱積み、建材・石材など重量物の積載用途に最適。
近年深刻化しつつある労働力不足に加え、コロナ禍における自動化・省力化ニーズの加速により、様々な業種においてロボットを活用した自動化による生産性向上や製造コスト削減が強く求められている。特に物流業界や食品・医薬品・化粧品などの業種では、製品単体の箱詰めや箱積みといった工程で人手作業が多く残っており、その効率化や自動化は急務となっている。こうしたニーズに応えるため、同社のパレタイジングロボットは、小型包装等の小物用途から建材などの大物用途まで幅広く対応した機種をラインナップしている。
今回開発した4機種は、使いやすさを追求したロボットコントローラYRC1000に対応させたことで、ロボットのパフォーマンスを最大限に引き出すとともに、電源回生機能による省エネ性能の向上や省配線によるメンテンス性の向上を実現、最適なパレタイズシステムの構築に貢献する。
さらに、MOTOMAN-PL190、320の2機種については、使い勝手をさらに追求し、従来のMOTOMAN-MPLシリーズと比べ、よりスリムな形状にするとともに可搬質量を向上させた。
最終出荷状態の荷姿は、重量物でありながらダンボールのように傷つきやすいものや米袋のように変形しやすいものが多く、柔らかな把持を求められると同時に強い力が必要となるため、エア駆動・吸着の利用も多く、その配管は太くなる。開発品では、これら大容量の配管をアーム内に収められるようアーム先端の手首軸に大口径の中空構造を採用し、周辺機器やロボットアームとの干渉をなくした。また、高さ方向に広い動作範囲を有しており、各種パレットサイズに最適な積上げ作業が可能なため、ユーザーの設備環境に柔軟に対応する。
また、ロボットコントローラYRC1000(中型・大型機種用)には、モータ減速時に発生するエネルギーを有効活用する電源回生機能が標準搭載されており、ロボット消費電力量の約30%を削減することが可能で、ユーザーの生産現場での省エネに貢献する。
※1 ロボット動作条件やお客さまの生産現場での稼働状況によって、省エネ効果は異なります。
ロボットとコントローラ間の接続をケーブル1本で行えるため、セットアップの際の配線時間を大幅に短縮するとともに、配線の少ないすっきりとした設備を実現する。
マニピュレータ内部の通信線の断線や各軸サーボモータのエンコーダ異常が発生した際には、プログラミングペンダント上に異常アラーム(該当ロボット軸の通信エラー)が表示され、異常箇所を特定しやすくなったほか、通信線の断線時の仮復旧や異常箇所特定のための仮配線を行えるマルチポートが各部位に標準搭載されており、仮復旧・仮配線にかかる時間が短縮できるなど、メンテナンス性にも非常に優れる。
パレタイズ専用アプリケーションソフト「MotoPal」により、コンベヤやステーション位置、製品のサイズ、積み付けパターン等を設定するだけで、ロボットの動作プログラムを自動生成することができる。