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安川電機、DD駆動方式採用の高精度・低振動半導体ウエハ搬送用クリーンロボットを販売開始

 安川電機は、半導体ウエハ搬送用クリーンロボットの新ラインアップとして、同社ACサーボモータ「Σ-7シリーズ」のダイレクトドライブ(DD)モータを採用した高精度・低振動の5軸クリーンロボット「SEMISTAR-GEKKO MD124D」を販売開始する。従来機種より高精度(位置決め精度 従来比2倍)・低振動(従来機種比1/6)の300 mm半導体ウエハ搬送を実現、半導体ウエハの生産性向上や低ダメージ搬送に貢献する。

SEMISTAR-GEKKO MD124D
SEMISTAR-GEKKO MD124D

 

 同時に、小型・軽量化し駆動能力や拡張性を高めたクリーンロボット用標準コントローラ「SR200」も開発。同社クリーンロボット全般に適用でき、クリーンロボットのパフォーマンスを最大限に引き出せる。

SR200
SR200

 

 近年のスマートフォンの製品仕様の進化、IoTの発展に伴うデータセンターの高度化や通信仕様の5G化など、技術進化が目覚ましい。これらの技術を支える大きな要素が半導体で、その技術革新は、製造プロセスにおけるnmレベルの微細化技術や多層化技術により成り立っており、この進化に貢献するウエハ搬送用のクリーンロボットが求められている。

 指定する位置に高精度でウエハを運びたい、ウエハにストレスをかけずに今までと同じ搬送枚数を安全に搬送したい、多数のウエハを収納するために狭いピッチの場所にもウエハを搬送したい、などのユーザーニーズが高まっており、同社ではこれに対応すべく、より高精度で低振動なクリーンロボットを開発したもの。

 開発したクリーンロボットは、従来機種(SEMISTAR-MR124)と比較して、ロボットの取付け・搬送装置レイアウトの完全互換性を実現(ロボット本体の形状を維持)、絶対位置精度(0.05mm)や繰返し位置決め精度(±0.025mm)は2倍に向上し、搬送時のハンド振動(0.25G、1G=9.8m/s2)も大幅に低減しているが、この性能を実現するため、ロボットのアームに減速機を必要としない同社ACサーボモータ「Σ-7シリーズ」のDDモータを搭載した駆動方式とした。

 併せて販売するクリーンロボット用の標準コントローラ「SR200」は、同社の標準電機品であるマシンコントローラ(MP)を採用し、従来機種比体積42%、質量35%減ながらSEMI規格など主要規格に適合した拡張性を持たせている。

 これら製品設計の向上に加えアフターサービスの品質改善も実施。ロボットからバッテリーを排除し、バッテリー交換をなくしたほか、ユーザーが必要な情報を取得しやすいような工夫を施し、プロセスの分析や生産性の改善につなげることができる。ロボットとコントローラともに調達部品を見直すことで、生産継続などサスティナビィリティーを意識した製品となっている。