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ジェイテクト、高耐熱リチウムイオンキャパシタの量産計画を発表

 ジェイテクトは、既存事業のコア技術を活かして開発した、85℃という高耐熱と-40℃という低温性を両立するリチウムイオンキャパシタについて、2019年より開始予定の量産計画について発表した。同年4月から東刈谷事業場で2,000セル/月、さらには同年秋からは花園工場で40,000セル/月の量産を始める予定だ。

製品イメージ:キャパシタ単体製品イメージ:キャパシタ単体

 燃費規制の拡大や高度運転支援・自動運転の普及・拡大を受け、省エネ・自動運転化に大きく貢献する電動パワーステアリング(EPS)の適用範囲の拡大が求められているが、大型車両へのEPS搭載においては12Vの車両電源では出力が不足するという課題があった。

 これに対し同社ではキャパシタと充放電コントローラーを従前のEPSに付加することで、車両電源の12Vに対しキャパシタからの6Vの電圧を付加し18Vの高出力化を実現し、EPSの適用範囲の拡大を目指し、EPSの補助電源装置として高耐熱リチウムイオンキャパシタを独自開発している。

EPSの電源補助イメージEPSの電源補助イメージ

 キャパシタとは、物理的に電力を充放電する蓄電池。蓄電容量は限られている代わりに一度に高いエネルギーを放出する瞬発力が特徴であるが、リチウムイオン二次電池と同様に耐熱性に課題があった。

 車両に搭載するために要求される環境温度はエンジンルーム内であれば-40℃から125℃、車室内であれば-40℃から85℃だが、ジェイテクト製のリチウムイオンキャパシタでは、独自技術によって-40℃から85℃まで使用可能となり、車室内での使用要求に適合。さらには出力する上限電圧を制限することで、105℃までの高温環境での使用を可能にしている。

 同社では今後、さらに開発を進めて同社既存事業の製品に搭載しての拡販を進めるとともに、製品単独での販売も計画。キャパシタ単体販売、バランス回路を組み合わせたモジュール販売、充放電コントローラーも組み合わせたシステム販売も行う予定だ。

 開発当初の狙いであったEPSの補助電源装置としてだけでなく、自動運転でのバックアップ電源などの自動車領域での用途拡大を目指す。また自動車業界だけでなく、工作機械、建設機械、鉄道、発電装置、交通インフラなど幅広い産業分野から注目・評価されており、補助電源、予備電源、発電装置の機能安定化、電源回生、さらにはメイン電源と、多様なユーザーニーズに合わせて適用用途が広がってきていることから、今後はあらゆる産業のエネルギー効率の向上、環境性の向上などに貢献できる製品として提案を進め、拡販を推進していく。

製品イメージ:充放電システム製品イメージ:充放電システム