ダイセル・エボニックのバイオガス用分離膜セプラン グリーン(SEPURAN® Green)が、ハイポテック製のメタンガス精製ユニット「METACOMPRE®」とともに、北海道七飯町で稼働しているバイオガスプラントにおいて「地域循環型バイオガスシステム構築モデル事業」として採択・導入された。
セプラン グリーンは、エボニック独自のポリマー材料で作製した中空糸膜モジュールで、二酸化炭素とメタンガスを分離するのに適している。
本事業では、バイオガスを99%以上の高純度メタンガスに分離精製し、低圧で吸蔵タンクに貯蔵する実証実験が行われている。発酵槽から取り出されたバイオガスの主な成分はメタン60%、二酸化炭素40%だが、精製ユニット内のセプラン グリーンはバイオガスからメタンを分離し、メタンの精製濃度99%以上を達成している。 精製後、低圧の吸蔵タンクにおいて60倍の貯蔵を目標に実証試験を行っている。
バイオガスは、国の電力固定価格買取制度が39円/kWhと他の再生可能エネルギーに比べて高いことから、主に発電されているケースが多いが、メタンとして精製すれば安定した量での貯蔵が可能で、必要時に合わせ熱源や発電として利用すれば、より効率的なエネルギー利用が実現できる。
ダイセル・エボニックでは、都市部とは違って都市ガスの配管網のインフラが整備されていない地域において、エネルギーの地産地消を可能にするバイオガスの利用促進に寄与することで、石油由来のエネルギーを必要としない地球にやさしい事業の実現を目指していく。
コンテナ内に設置されたセプラン グリーン分離膜(赤枠内)
メタン吸蔵タンク(左)とメタンガス精製ユニット