ダイセル・エボニックのPEEK 樹脂医療グレード「ベスタキープⓇCare」が、歯科材料大手メーカーの白鵬の口腔内デジタル画像処理用スキャンボディに採用された。
歯科技工士が減少傾向にある中、また、歯科治療における患者の負担軽減が求められる中で、CAD/CAMを用いた歯科インプラント作製の技術が進展してきている。このインプラント作製工程においてスキャンボディは、作業模型のインプラントレプリカに装着され、口腔内CTでスキャニングすることにより、作業模型とインプラントレプリカの位置や向きの情報を正確にデジタルデータに変換できる。
しかし、従来の輸入品PEEK 樹脂や他の材質で作られたスキャンボディでは、スキャン時のハレーションが起こりやすく、それを防ぐために被写体にスプレー噴霧などの前処理が必要だった。
これに対し、ベスタキープⓇCareの採用で実現した繊細な色調と表面性状は、ハレーションを減少させ前処理を不要にしたほか、スキャン精度の向上に貢献する。 また、ベースを SUS(ステンレス鋼)とのハイブリッド構造にすることにより、術者がスキャニングのために本体を取り付ける際のトルク管理が容易となる。
ダイセル・エボニックでは、歯の治療における患者の負担軽減のため、歯科インプラント機器の一層の信頼度向上を目指して引き続き材料の可能性を追求するとともに、顧客へのきめ細かな技術サポートを行っていく考えだ。
PEEK 樹脂「ベスタキープⓇCare」製口腔内デジタル画像処理用スキャンボディ