NTNは、風力と太陽光の二つの自然エネルギーで発電した電力をバッテリーに充電し、夜間にLED照明を自動点灯するハイブリッド街路灯の販売を開始した。
市場では、風力と太陽光の二つの自然エネルギーを利用した、より発電能力の高い街路灯が求められている。しかし、住宅地や公共施設等では高い静粛性が求められ、翼の風切り音による騒音が問題となっている。
これに対しNTNでは、独自の翼形状を持つ垂直軸風車を採用、風切り音の発生を抑え、高い静粛性を実現するハイブリッド街路灯を開発した。肉厚の翼形状と、翼先端に設けたウィングレットによって、翼先端部での空気の剥離と渦乱流の発生を防ぎ、「優れた静粛性」を創出する。
垂直翼の採用によってどの方向から風を受けても、風の力を最大限に引き出すことができ、ロスの少ない高効率発電を可能にする。
開発されたハイブリッド街路灯は、公園、学校などの公共施設、バス停、駐車場、商業施設や災害避難場所など、地域社会に密着した様々な場所での活用が見込まれている。付属バッテリーは満充電状態で5日間分の照明用電力を補い、災害時の非常用電源としても使用できる。また、翼や支柱の配色についても、景観保護への配慮や顧客の要望に対応する。
同ハイブリッド街路灯は、本年5月に開催された伊勢志摩サミットのメディアセンターとなった三重県営サンアリーナなどに設置され、地域を照らす照明として使用されている。
NTNではさらに、電気パネルを付設して広告塔として活用するなど追加オプション機能の商品化も進めて、機能と用途の拡幅を進めていく。
同社は自然エネルギーの活用による低炭素化社会の実現に向け、ハイブリッド街路灯に続き、マイクロ水車や小形風車の商品化を進めており、自然エネルギー分野における事業化を推進していく考えだ。