コマツは、米国・子会社のコマツアメリカが露天掘りおよび坑内掘り向け鉱山機械の製造・販売・サービスを行うジョイ・グローバル社を買収すると発表した。今後、ジョイ・グローバル社の株主総会における承認、関連する国において必要となる承認取得を経た上で、2017年半ばを目処に買収を完了する予定。
コマツは、2021年の創立100周年を見据え、また持続的な成長を目指すため3カ年(2016-2018年度)の中期経営計画を本年4月よりスタートしている。この中期経営計画における成長戦略の実現に向け、コマツの主要事業である鉱山機械事業の体制を大幅に拡充するため、ジョイ・グローバル社の買収を決定した。
ジョイ・グローバル社は鉱山機械事業で100年以上の長い歴史を有し、コマツがこれまで保有していなかった超大型の露天掘り向け鉱山機械および坑内掘り向け鉱山機械の製造・販売・サービスを行う年間売上高3,172百万米ドル(1米ドル105円換算で約3,330億円)のグローバル企業。
コマツの鉱山機械事業は、1921年の創立時から始まり、1990年代以降に競争力のある鉱山機械メーカーや代理店などの買収を積極的に行ったことで、現在の事業規模は約4,500億円にまで成長したが、これまで事業の対象は、鉱山における二つの採掘手法(露天掘り、坑内掘り)のうち露天掘り向けのみに留まり、その中でも一定の大きさを超える超大型の露天掘り向け積み込み機械はカバーしていなかった。
現在、新興国の成長鈍化や資源価格低迷の影響を受け、鉱山機械の需要は大きく落ち込んでいるが、世界の人口増および都市化率の上昇を背景に長期では増加し、採掘手法については、経済合理性の点から露天掘りの機械の大型化と、坑内掘りのニーズがさらに高まっていく見込みだという。
ジョイ・グローバル社の買収により、コマツが保有していない超大型の露天掘り向け鉱山機械および坑内掘り向け鉱山機械などを新たに製品ラインナップに加えるとともに、長い経験とノウハウを持つ両社の直接販売・直接サービス体制を統合し強化する。さらに、品質と信頼性を重視するコマツとジョイ・グローバル社のモノ作り技術を融合させるだけでなく、両社の強みである「IoT(Internet of Things)」を活かし、露天掘りおよび坑内掘り向け鉱山機械をコマツの鉱山管理システム上でつなげ、機械の稼働最適化、遠隔操作、無人化を進めることで、鉱山現場の安全および生産性の大幅な向上に寄与する。