川崎重工業は、岐阜工場において航空自衛隊向けC-2輸送機の量産初号機を防衛省に納入したと発表した。
C-2輸送機は、航空自衛隊のC-1輸送機の後継機として、防衛省が2001年度より開発を進めてきた航空機。機体の大型化により、貨物搭載量を大幅に増加させたほか、低高度飛行における操縦性を高める新規開発の飛行管理システムや、機内貨物の積み降ろしの集中管理によって省力化を可能とした搭載しゃ下システムを採用することで、操縦士や乗員の負荷を低減している。また、米国ゼネラル・エレクトリック社製のエンジンを搭載し、C-1輸送機を大幅に上回る速度、航続距離等を実現している。
同社は、防衛省から2001年11月に次期固定翼哨戒機(XP-1)および次期輸送機(XC-2)の2機種同時開発の主担当企業に指名され、各種試作機の設計、製造に着手した。2010年1月には次期輸送機(XC-2)試作1号機の初飛行に成功し、同年3月に試作1号機を、2011年3月には試作2号機を防衛省に納入した。その後、防衛省による各種試験が進められている。
C-2輸送機については、2011年度に防衛省と量産機の製造に関する最初の契約を締結し、各種改善内容を量産機の設計に反映して製造を進めてきた。今回納入した量産初号機に引き続き、量産2号機以降も順次納入していく予定。