村田製作所は、車車間・路車間通信(V2X)向けの車載グレードHigh Q積層セラミックコンデンサ「GCQシリーズ」を業界で初めて開発したと発表した。すでにサンプル出荷を開始しており、2016年上半期中に量産を開始する。
V2Xは、自動車と自動車(V2V:Vehicle to Vehicle)、または自動車と信号機などのインフラ(V2I:Vehicle to Infrastructure)が直接通信することで、衝突などの事故の防止および効率的な交通システムの構築を目的としており、将来的には完全自動運転につながる重要な技術になると予測されている。
V2Xの通信規格としては、主に北米、欧州向けとしてDSRC IEEE802.11pの通信規格(通信周波数5.9GHz)が使用され、5.9GHzにおけるDCカット用、およびRFマッチング用にHigh Qコンデンサが要求されている。
同シリーズは、AEC-Q200(車載電装部品に求められる信頼性試験規格)に準拠したV2X、ADAS、車載通信用途向けのHigh Qコンデンサ。5.9GHzに自己共振周波数を持ち(2.2pF品の場合)、DSRC IEEE802.11p におけるDCカットに適している。また、内部電極にCuを使用しているため高周波で高いQ値を得ることができ、マッチング用途にも適している。