帝人は、松山事業所で生産しているパラ系アラミド繊維「テクノーラ」のグローバルな需要拡大に対応するため、生産能力を約10%増強する。
パラ系アラミド繊維は、強度、弾性、耐衝撃性などに優れる高機能素材で、主として自動車用ゴム資材補強、コンポジット補強、土木建築資材、ロープ、ケーブル、防護衣料などに使用されており、今後も安定した市場成長が見込まれている。帝人グループは、松山事業所で生産する「テクノーラ」、テイジン・アラミドB.V. (オランダ・アーネム市)が生産する「トワロン」の2種類のパラ系アラミド繊維を展開しており、世界市場において約2分の1をシェアを有している。
中でもテクノーラは、同社が独自技術によって1987年に商業生産を開始したパラ系アラミド繊維で、耐衝撃性、耐疲労性、耐湿熱性、耐薬品性などにおいて特に優れた物性を有している。その特性から、伝動ベルトやホースなどのゴム補強、地盤補強など、より過酷な条件下における用途の多様化が進み、近年はほぼフル稼働での生産を続けていた。
こうした中、でしか対応できない用途を中心に2014年度以降も需要が拡大しており、今後グローバル市場において成長が予想されている。同社は、こうした需要拡大や市場成長に対し、国内外での対応力を強化するため、帝人グループでアラミド繊維事業の中核を担うテイジン・アラミドと共同で拡販を図ることとし、今回の生産増強を決定した。