メインコンテンツに移動
mstkouenkai

 

産総研、世界最高水準の標準ガスバリアフィルムを開発

 産業技術総合研究所は、粘土とポリイミドを原料とする、極めてガス透過性が小さいバリアフィルムを用いて、水蒸気透過度が10-6gm-2day-1レベルの標準ガスバリアフィルムを開発した。

 今回、穴の開いたステンレス薄板に、産総研が開発した粘土を主成分とするバリアフィルム「クレースト®」を、穴をふさぐように熱プレスで隙間なく直接接合して、標準ガスバリアフィルムを作製した。開発した標準ガスバリアフィルムの水蒸気透過度は、クレースト®自体がもつ水蒸気透過度と穴の面積から算出・設計でき、今回は、標準的な試験条件である温度40 ℃、相対湿度90 %条件で、10-4~10-6gm-2day-1の水蒸気透過度を示す三種類の標準ガスバリアフィルムを作製した。これらの水蒸気透過度は、従来品の1/1000以下という微小な値である。標準ガスバリアフィルムを用いることで得られる信頼性の高い水蒸気透過度の測定は、有機ELディスプレイや有機太陽電池などに使われるハイバリアフィルムを評価する基準となり、これら製品の品質管理や長寿命化に貢献すると期待される。

開発した標準ガスバリアフィルムの写真(左)と模式図(右)開発した標準ガスバリアフィルムの写真(左)と模式図(右)