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IHI、自動車向けCFRP部品量産システムでイタリア大手メーカーと提携

 IHIは、欧州で多数のCFRP(炭素繊維強化プラスチック)生産設備納入実績を持つイタリアの大手メーカーCannon S.p.A.(CANNON社)と提携し、日本およびアジア地域の自動車会社とそのティア1サプライヤー向けにHP-RTM(高圧による樹脂注入成形法)成形設備によるCFRP部品量産システムの本格販売を開始した。

 欧州では自動車のボンネットなどのアウター部材やボディ部材として、鉄の約10倍の比強度のCFRPを用いることで自動車全体の軽量化・低燃費化を図る動きが進んでおり、高級車や電気自動車を中心にCFRP部品の採用が増えている。

 CANNON社は熱硬化性CFRP成形設備において、独自開発のHP-RTM成形設備による成形サイクルの大幅短縮(3~6分/サイクル)を実現し、端材をリサイクルしてできる不織布を使用した成形への適用が可能な別工法(同社独自開発のリキッドレイダウン法、ギャップインジェクション法)と合わせ、欧州の自動車メーカー各社に約10年にわたりCFRP成形システムを納入している。

 CFRP部品は今後、日本の自動車部品においても軽量化・低燃費化を図るために採用が見込まれている。IHIは、機械プレスや各種FA設備において自動車メーカーへの納入実績を多数有しており、これらの分野で培った知見・技術と、同社が独自開発した熱可塑CFRP成形システムの技術、今回新たに製品ラインナップに加わったCANNON社の熱硬化性成形技術を合わせて顧客に提案していく。

 将来的には、今回の量産システムに各工程で発生する端材を回収し炭素繊維を取り出し基材として再利用するリサイクルチェーンを加えた、低環境負荷を実現する設備の提供にも取り組んでいく。