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山陽特殊製鋼、最新鋭の第2粉末工場建設を決定

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高真球金属粉末(電子顕微鏡写真)高真球金属粉末(電子顕微鏡写真) 山陽特殊製鋼は、本社工場内に第2粉末工場を建設すると発表した。同社が生産する金属粉末は、真空溶解と不活性ガスアトマイズの組み合わせにより不純物が少ない球状を実現している。今回の工場建設は、3Dプリンター等による金属粉末の市場拡大、電子部品分野を中心に年々高まっている金属粉末の高信頼性、高純度化のニーズに対応するとともに、新市場の創生に向けてクリーン度の高い工場を建設し、高純度真空溶解ガスアトマイザーを2基導入する。また、最新鋭のディスクアトマイザーも1基導入し、高融点材料の高真球粉末の製造研究、用途開発を進める。

 現在稼働している第1粉末工場は、平成元年稼働、世界最大級の2t真空溶解ガスアトマイザーを含め3基の金属粉末アトマイザーを有し、量産から小ロットの試作・開発まで対応できる体制を取っている。また、同社は、鉄鋼・産業機械向けの肉盛・溶射粉末、自動車向けのショットピーニング投射粉、切削工具用粉末ハイス、モバイルデバイス向け電磁波吸収体扁平粉、各種ターゲット材など幅広い分野で用いられる高機能材料を提供しているほか、新たな市場の創生にも取り組んでいる。

 加えて、製造現場に画期的な変化をもたらす可能性のある3Dプリンター用金属粉末においても、同社の不純物の少ない球状粉末は適しており、今後の同技術の普及に伴う金属粉末の需要増にも対応するという。

 新工場の建設費用は約20億円、工場建屋の完成は平成28年10月、稼働開始は平成29年度上期を予定している。