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日立メディコ、超電導MRI装置向け故障予兆診断サービスを開始

 日立メディコは、日立製作所の予兆診断技術を導入し、日立メディコが製造・販売する超電導MRI装置の冷凍機の故障とその原因を事前に高精度で検知する新たな保守サービス「Sentinel Analytics」の提供を10月1日より開始する。

 近年、製造業などを中心に、機器の稼働率向上や保守・サービスの充実を図るため、IoT(さまざまなモノに通信機能を持たせインターネットを介して情報交換することによりモノの識別・監視・制御などを行うこと)/M2M(機械同士が人間を通さずネットワークを通じて直接情報を交換するシステム)技術を活用して、遠隔で機器の状態を監視し、故障による想定外の停止を回避するといった取り組みが広がっている。医療現場において、例えば、超電導MRI装置は液体ヘリウムで冷却することで超電導状態を常に維持する必要があるが、冷凍機に突発的な故障が発生すると、MRI装置が使用できず、復旧作業に時間を要することもある。

 日立メディコでは従来、自社のIoT/M2Mシステム「Sentinelカスタマーサポート」を利用して、装置の各種センサーデータにしきい値を設定することで、技術者の経験・ノウハウをもとにデータ変動を観察し、保守作業の要否や部品の交換時期などを判定していた。しかし、日々のセンサーデータが膨大な上、顧客ごとに設置環境や使用方法が異なるため、技術者の経験・ノウハウに基づくデータ分析だけでは高精度で効率性に優れたアフターサービスを提供することに限界があったという。

 そこで、技術者の経験・ノウハウをシステム化するため、日立製作所の予兆診断技術「Global e-Service on TWX-21/故障予兆診断サービス」およびビッグデータ分析関連ソフトウェア「Pentaho」を活用することで、超電導MRI装置の冷凍機の故障とその原因を高精度で検知できる新たな保守サービス「Sentinel Analytics」を提供開始する。

 なお、Sentinel Analyticsは、日立メディコが利用するサーバのソフトウェア更新のみで導入できるため、現在、超電導MRI装置でSentinelカスタマーサポートを利用している顧客であれば、標準でSentinel Analyticsの故障予兆診断サービスが適用される。