デンソー、自動販売機の年間消費電力量を25%削減するエジェクタ

　デンソーは、飲料用自動販売機の冷却システム向けに小型冷媒噴射装置であるエジェクタを開発した。エジェクタを搭載することで、従来の自動販売機に比べ、年間消費電力量25%の削減を達成した。同社によると、飲料用自動販売機へのエジェクタ搭載は世界初で、富士電機が4月に発売した自動販売機に採用されている。

　エジェクタを使った冷却システムでは、従来捨てられていたエネルギーをコンプレッサーを動かすための圧力エネルギーとして活用し、冷凍効率を高めることで消費電力量を大幅に削減することが可能になる。エジェクタは、2003年にデンソーが世界で初めて実用化し、冷凍車の冷凍機や自然冷媒CO₂家庭用ヒートポンプ給湯機「エコキュート」、カーエアコンに搭載されており、自動販売機には初めて搭載さた。

　自動販売機の消費電力の多くは、商品を冷却する際のコンプレッサーの動力として使用されている。特に自然冷媒CO₂を使った自動販売機は、地球温暖化への影響が低い反面、通常使われる代替フロンに比べて圧力が高くコンプレッサーの負荷が高いという課題があった。

　今回のエジェクタは、自然冷媒CO₂自動販売機に搭載され、従来機に比べてエネルギー消費効率を冷却モードで45%、加熱モードで24%向上し、年間消費電力量の25%削減を達成した。