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日本精工、耐高速性と密封性を両立した自動車エンジンベルト アイドラ・テンショナ用シール付き玉軸受

NSK「高速高密封シール付き玉軸受」 日本精工は、自動車エンジンベルト用アイドラ・テンショナプーリに使用される、耐高速性と密封性を両立した「高速高密封シール付き玉軸受」を開発した。使用環境の厳しい新興国などの自動車の信頼性向上に寄与する。


 従来の高速シールは、高速回転で増大する遠心力の影響を抑制する形状になっている。しかし、剛性が高い形状のため、反力変動が大きく、シールリップ部に隙間が発生しやすい状態となっており、密封性の向上が課題となります。そこで、従来の高密封シールは、シールリップを柔軟にすることで、追従性を高め、密封性を高めている。しかし、高速回転では、反力が大きく変動し、シールリップがダメージを受ける懸念があった。

 そこで、同社ではシール形状を最適化することにより、軸受シールにおける許容回転数が17000min-1の耐高速性と、従来シールに対して2倍以上の密封性を兼ね備えたアイドラ・テンショナ用軸受を開発した。

 同品は、シールリップの重心位置を最適化する形状を採用し、高速回転に伴い増大する遠心力のシールリップへの影響を抑えた。これにより、シールリップの挙動が安定し、耐高速性が実現した。また、シールリップを柔軟性の高い形状とすることで、反力変動を抑制した。これにより、シールリップの接触状態が改善され、異物の侵入を抑制する。さらに、シールと軸受部品(内輪)との間にラビリンスを形成し、外部から異物の侵入を抑制する。