東レは、米国の子会社・ゾルテックにおいて、ラージトウ炭素繊維の生産設備増強を決定した。同社のメキシコ工場の生産能力を年産5000tに倍増する計画で、2016年4月の生産開始を予定している。
ゾルテックは現在、ハンガリー工場ならびにメキシコ工場においてラージトウ炭素繊維を生産しているが、近年急速に需要が拡大している風力発電関連用途に加えて、今後は自動車構造体用途でのラージトウ炭素繊維の採用が一層進むことが見込まれており、2016年初頭には生産能力が不足する見通し。今回の生産設備増強は、当面の生産能力不足に対応するものであり、より強固な安定供給体制の確立を図る。
なお、ゾルテックでは、ラージトウ炭素繊維の旺盛な需要に対応するため、2020年までに生産能力を現有の年産13000t規模から倍増する構想を掲げており、引き続きメキシコ工場の生産設備増強を順次実施していく。
ゾルテックは、1988年にラージトウ炭素繊維事業に参入し、1996年にハンガリー、2007年にメキシコのアクリル繊維工場を買収して、ラージトウ炭素繊維の需要開拓を進めるとともに、徹底的にコスト競争力を強化することで事業を拡大してきた。東レは、2014年2月に同社を子会社化した。