ネクスト21は、3Dプリンタで成形するカスタムメイド人工骨「CTボーン」を開発、オランダXilloc社とEU諸国における製造・販売に関するライセンス契約を締結した。今後、Xilloc社がEU指令93/42/EEC(欧州医療機器指令MDD)の登録手続きを行い、CTボーンの製造・販売を開始する。
この技術はNEDOプロジェクトにおいて、ネクスト21、東京大学、理化学研究所などの研究チームが世界初となる3Dプリンターで成形するカスタムメイド人工骨を開発した。研究チームは、NEDO「産業技術実用化開発助成事業」で前臨床試験を実施し、医療基盤研究所(NIBIO)の支援で臨床試験を実施した。
今回のライセンス契約によりネクスト21は、欧州での製造販売登録に必要なテクニカルドキュメンテーションを含む製造適合性資料をXilloc社に提供する。その後、Xilloc社が、欧州連合指令93/42EEC(欧州医療機器指令MDD)の登録手続きを行い、登録完了後、EC諸国でのCTボーンの製造・販売を開始することになる。
開発した技術は、3Dプリンターで製造するカスタムメイド人工骨。3Dプリンターでの成形方法は骨内部構造の設計もでき、0.1mmの形状再現ができるため、人工骨の成形には現在の成形技術の中で最も優れた方法だという。また、日本国内では自家骨移植が主流だが、摘出による外科的侵襲や採骨部の形態が変わることが問題だった。開発した技術は従来の人工骨のように熱処理をしていないため、自骨への癒合が早く、優れた治療効果を出すのが特長だという。
3Dプリント人工骨の仕組み