横浜ゴムは、カーエアコンの次世代冷媒として欧州で普及が進んでいるHFO-1234yfに対応するカーエアコン用ホース「AC6B 11」を開発した。
HFO-1234yfは、従来の冷媒に比べ地球温暖化への影響度合い(GWP=地球温暖化係数)が低い。欧州の自動車産業界ではGWP150以上の冷媒使用規制を段階的に進めている。同社は、すでにカーエアコンシステムメーカーに同品を納入しており、主に欧州向け車輌に同ホースを採用したエアコンが搭載されている。
現在、カーエアコンの冷媒として多く使用されているHFC-134aは、以前使われていたフロンに比べオゾン層の破壊作用が小さい利点がある。しかし、GWPで見るとCO2が1に対してHFC-134aは1300と高い。一方、HFO-1234yfのGWPは4に抑えられており、地球温暖化防止の観点から切替えを促進する動きが進みつつある。
カーエアコン用ホースの構造は外側から外面ゴム、補強糸、内面ゴムとなっており、内面ゴムの内側は冷媒の漏れを防ぐためポリアミド樹脂によってコーティングされている。
HFO-1234yfは、長期使用により徐々に分解が進むことで酸が発生する性質があるため、従来のホースでは樹脂が腐食するという問題があった。この対策として同社ではポリアミド樹脂に受酸剤を配合して酸を取り込む設計とし、樹脂の腐食・冷媒の漏えいを防ぐことに成功した。
今後、米国の自動車産業界でもHFO1234yfの採用が進むとみられるため、同社では欧米の自動車用エアコンシステムメーカーおよび自動車メーカーに向けてHFO-1234yf対応ホースの販売活動を強化していく考え。