デンソーは、手術時に医師の腕を支え、生理的に生じる手の震えや疲れを軽減する手術支援ロボット「iArmS(アイアームス)」を開発、販売を開始した。
同品は、医師が腕を動かしたい位置にロボットアームが追従し、手術時にはしっかりと固定され医師の腕を支える。術者の直感的な操作を可能にするため、内蔵されたセンサーが「腕をおく」、「腕を静止する」、「腕を浮かせる」という動作を感知し、「Hold:術中の腕の固定」「Free:腕の移動」「Wait:周辺機器操作時の待機」の三つの動作をスイッチレス(自動)で切り替える。
また医療現場で求められる高い安全性と軽やかな操作性を実現するため、動作はモーターを使わず、重力バランスと腕の動きによって行われる。
現在、医療現場では、顕微鏡や内視鏡の普及によって長時間かつ繊細な手術が増え、医師からは、生理的に生じる手の震えや疲れを軽減したいとの要望が増加しているという。このようなニーズに応えるため、同社は2012年から信州大学医学部脳神経外科、東京女子医科大学先端生命医科学研究所と共同で同品の実用化開発に着手し、2014年9月からは信州大学倫理委員会の承認を得て、信州大学医学部脳神経外科および耳鼻咽喉科で、実際の手術に用いる臨床研究を進めてきた。