セメダインは、従来の接着剤では接着が困難とされているポリプロピレン(PP)樹脂に対し、表面処理やプライマー処理がなくても強力に接着する一液湿気硬化形の弾性接着剤「セメダイン SX-PPK1000」を1月15日に発売する。
同品は、耐久性のある弾性接着剤を基本にして、難接着材料のポリプロピレン樹脂と異種材料との接着に特化した接着剤。その接着性能は、従来の同社弾性接着剤の180度はく離接着強さ(PP×綿帆布)0.27N/25mmと比較して56N/25mmと向上した。また、事前のプライマー処理が不要で、混合がいらない一液タイプ、硬化後の振動、熱、水に強い耐久性能などを実現した。年々増加する自動車用PP部品、電機電子用PP部品、PP製内装建材などの用途拡大に向けて提案を行っていく。
プラスチック材料の中で最も需要が多いポリプロピレン樹脂はその軽量、耐熱性、成型性などから年々需要が増加している。一方で、その分子構造から接着剤による直接接着が困難な材料として有名。従来、ポリプロレン樹脂を接着するためには、樹脂表面を事前に処理する必要があった。その処理方法にはコロナ放電、プラズマ、紫外線、火炎、強酸浸漬などがあるが、安全性、装置の大きさ、そしてコスト面などに問題があった。他に接着剤による接着方法もあるが、それらは2液を混合するタイプや事前にプライマーを塗布するなどの工数がかかる方法であり、また硬化後は接着層が硬く柔軟性に乏しいものもあるため異種材料接着の耐久性に難があったという。同品は、PPに対しこれらの表面処理なしに直接接着が可能で、また、混合の必要のない1液形で、硬化後は振動、熱、水に強い、耐久性のあるPP用弾性接着剤を目指して設計された。