トヨタ車体は、トヨタ自動車が販売を開始した燃料電池自動車「MIRAI」用の燃料電池スタック基幹部品として、世界初となる超精密プレス加工部品を開発、生産を開始した。
今回開発したのは、燃料電池空気極側の流路を構成する「3Dファインメッシュ流路」と呼ばれる3次元的な微細格子構造を持つ部品。同社では1997年から燃料電池スタック基幹部品の開発に取り組み、「トヨタFCHV-adv」では溝状流路を有する空気極側の部品の生産を行っていた。今回「MIRAI」に採用された「3Dファインメッシュ流路」では、空気(酸素)の拡散性および排水性を向上させ、燃料電池スタックを構成するセル面内の均一な発電を可能にした。これにより発電効率が高まり、「トヨタFCHV-adv」に比べて2.2倍の出力密度となる3.1kW/Lの達成に寄与した。
3Dファインメッシュ流路の生産には、同社独自の超精密・高速プレス加工技術を用いており、3次元的な微細格子構造の連続生産を実現している。また、燃料電池スタック内の空気極側で空気と冷却水を分離する「セパレーター」も生産しているという。
3Dファインメッシュ流路