日立金属は、高温環境下の特性に優れた車載用ソフトフェライトコア材料「MB20D」を開発、量産体制を整えたと発表した。自動車電装部品に用いられるトランス、インダクター等の電子部品のさらなる高効率化、高信頼性化、小型軽量化が期待される。
車載用のトランス、インダクター部品などに使用されるコア材料は、一般的に高温環境下での磁心損失が高く、その損失は熱に変換されるため、熱源として周囲の温度を上昇させる原因となることがある。このことから、周囲への電子部品への熱影響を極小化させるためにも、高温環境下でも損失が低いコア材料が求められているという。
同品は、車載用途を考慮した高温環境下の低損失特性に優れたMn-Zn系フェライト材料。同社独自の粉末配合技術と粉末加工・熱処理技術により、低い磁心損失と高い飽和磁束密度を両立している。特に高温環境下(130℃)での低磁心損失性を従来品比20%改善、同高飽和磁束密度を25%向上したことにより、消費電力を抑えるとともに発熱量を抑えることも可能。同品を用いることでトランスやインダクター部品の高効率化、高信頼性化、小型軽量化が期待される。