トヨタ自動車は、セダンタイプの新型燃料電池自動車(FCV)「MIRAI(ミライ)」を開発、12月15日より販売を開始する。
MIRAIは、将来の有力なエネルギーである水素を空気中の酸素と化学反応させて自らが発電して走る。自社開発の新型トヨタFCスタックや高圧水素タンクなどで構成する燃料電池技術とハイブリッド技術を融合した「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」を採用。内燃機関に比べてエネルギー効率が高く、加えて、走行時にCO2や環境負荷物質を排出しない優れた環境性能を実現するとともに、3分程度の水素の充填で充分な走行距離を得られるなど、ガソリンエンジン車と同等の利便性を備えている。
また、全車速域モーター走行による優れた加速性能と静粛性や低重心化などにより操縦安定性を高めた。さらに、停電や災害などの非常時に使える大容量外部電源供給システムを備えている。
水素は、様々な一次エネルギーや下水の汚泥からの製造に加え、太陽光や風力などの自然エネルギーを活用して水からの生成も可能。電気に比べてエネルギー密度が高く、貯蔵や輸送も容易であり、家庭や自動車用の燃料のみならず、発電への活用も期待されるなど、幅広い用途への利用が可能な将来の有力なエネルギーの一つである。水素を燃料として自ら発電して走るFCVは、将来の水素社会の一翼を担い、エネルギー多様化への対応をさらに加速させるものと期待されている。