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NTN、独自空冷技術採用で高速回転性能を実現した工作機械主軸用の軸受

NTN「工作機械主軸用空冷間座付軸受」 NTNは、工作機械主軸用軸受に独自の空冷技術を採用することで、主軸の高い剛性を確保しながら、高速回転性能を実現した「工作機械主軸用空冷間座付軸受」を開発した。

 同品は、材料や熱処理の改良、内部設計の変更、潤滑面の改善などの従来のアプローチではなく、主軸の発熱低減に着目し、独自の空冷技術を用いた「空冷間座」を採用した。これにより、内外輪の温度差を抑制することができ、従来品(超高速アンギュラ玉軸受)と比べ高速回転性能が20%向上、エアオイル潤滑・定位置予圧でdmn値(軸受の回転性能を表す指標)210万を達成し、世界最高水準の高速回転性能を実現した。

 軸受内径φ70、回転速度23000min-1(dmn値210万)において、従来品は組み込み後軸受内部に予圧を与えることができなかったが、開発品は最大1300Nの予圧を確保でき、組み込み時における主軸の剛性を大幅に高めることで、幅広い速度域において加工性能を向上する。さらに、主軸を冷却するエアにより発生する騒音については、「空冷間座」の内部設計を工夫することで騒音値の上昇を抑え、従来品と同水準を維持した。

 工作機械の主軸は、難削材や金型、複雑形状部品、医療機器部品などの加工において、高剛性・高速回転が求められる。特に近年の工作機械は多様なワークに対応するため、1台で複数の加工機能を持つ5軸加工機や複合加工機が主流になり、加工機能の向上に伴い、主軸用軸受には剛性をより高めた超高速回転のニーズが高まっているという。