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三菱重工業、ベトナムの民間航空機生産会社の新工場が稼働、777向け乗降扉の生産を開始

 三菱重工業が100%出資するベトナムの民間航空機生産会社MHI Aerospace Vietnam Co., Ltd.(MHIVA)が首都ハノイに建設していた新工場が完成し、2米国ボーイング社の大型旅客機777向け乗降扉の生産を開始した。併せて、MHIVAは、同じくボーイング社の小型旅客機737向けインボード・フラップで累計1000機目の出荷を達成したと発表した。

 新工場は、ハノイ郊外のタンロン工業団地にあるMHIVA本社工場を増築するかたちで建設を進めてきたもので、建屋面積は6500m2。三菱重工業 名古屋航空宇宙システム製作所からの生産移管により、初期段階では777乗降扉の構造組立作業のみを行い、引き続いて艤装組立作業を含む全組立工程をMHIVA単独で担っていく。

 777シリーズは、航空輸送市場をリードする大型双発ジェット旅客機として、1994年に初飛行して以来、生産機数は1200機を超えている。三菱重工業は、同機の開発・量産ではリスク・シェアリング・パートナーとして、乗降扉のほかに後部胴体を担当。1993年に初号機用部位を納入した。

 一方、737向けインボード・フラップの生産は、MHIVAの本社工場(建屋面積4,500m2)が完成した2009年から手掛けているもので、このほど1000機の大台突破となった。当初は一部の組立作業から取り組み、その後は作業工程を順次拡大。現在では全組立工程の作業を担っているという。

 MHIVAは、競争力強化のための効率的なサプライチェーン構築を目指す取り組みの1つとして、2007年に設立したものです。当社は、中型旅客機ボーイング787向け複合材主翼の生産や、ロールアウトを行った国産初のジェット旅客機MRJ(Mitsubishi Regional Jet)の生産、777の後継機である「777X」の開発・量産参画など、民間航空機関連の大型プロジェクトを多数推進しており、生産体制整備と能力拡大に取り組んでいます。今回の新工場稼働も、その一環となります。

 当社は、ボーイング社の支援のもと、MHIVAと国内拠点を機動的に連携させながら、民間航空機事業の一層の発展をはかっていきます。