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帝人、世界最高レベルの難燃性を有するPENフィルムを開発

 帝人デュポンフィルムは、世界最高レベルの難燃性(UL規格:VTM-0)を有するPEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム「テオネックスQF」を開発した。

 PENフィルムは、帝人グループが世界に先駆けて開発した高機能ポリエステルフィルムで、優れた強度や耐熱性、耐加水分解性、寸法安定性などを兼ね備えたフィルムとして、有機ELディスプレイや電子ペーパー、燃料電池など、エレクトロニクス製品や自動車を中心に幅広い用途に使用されている。しかし、難燃性に課題があることから(UL規格:VTM-2、着火から30秒以内に自己消火)、使用可能な箇所に限界があった。ハロゲン系難燃剤の添加や難燃コーティングによって、VTM-2以上の難燃性を付与することは可能だが、環境への影響やコストアップの要因となることが懸念されていたという。

 今回開発した製品は、独自に開発した難燃フィラーを活用することで、PENフィルムの特性である強度や耐熱性などは維持したまま、エレクトロニクス製品では必須となる世界最高レベルの難燃性(UL規格:VTM-0、着火から10秒以内に自己消火)を実現した。また、ハロゲン系難燃剤を使用していないため、環境負荷の低減も期待できる。今後は、リチウムイオン電池のバッテリーラベルやフレキシブルプリント基板、フラットケーブル、照明や建材など、高い難燃性が要求される用途に同品を展開し、2017年度に20億円の売上高を目指す。