超硬工具協会( http://www.jctma.jp )はこのほど、工具業界で活躍した人や目覚しい技術開発や改善合理化を図った人を称える「平成26年度超硬工具協会賞」の受賞者を発表した。今回が通算37回目。業界功労賞で大山 徹氏(マコトロイ工業)、鴻野 雄一郎氏(アライドマテリアル)の2名が受賞したほか、技術功績賞10社17件、環境活動賞7社8件が選定された。
大山氏は、平成3年6月に社長就任と同時に同協会の理事就任。協会創立以来、先代の創業者同様理事会社として協会活動においてさまざまな面で活躍した。特に、理事会では年2回策定している超硬工具需要見通しについて、先行指標の分析、自動車、工作機械産業等主要需要先産業の動向などに基づいた提言を行い、バブル崩壊後の非常に厳しい環境下の見通し作成の根拠を示し、現在の確度の高い見通し策定の礎を築いた。また、地区会員懇談会、分科委員会活動にも積極的に委員を派遣するなど同協会の基本理念である全員参加を実践した。
鴻野氏は、平成20年6月に資材担当副理事長就任。さらに、平成21年から資材担当常任理事として日本政府が進める循環型社会構築の一環として3Rシステム化可能性調査事業に取り組んだ。その集大成として「超硬合金のスクラップのリサイクル啓蒙・啓発パンフレット」を策定、JIMTOF2012を活用して、10000部を見本市会場で配布するなどさらなるリサイクル活動の重要性を主導した。また、早くからコンプライアンスの重要性を理事会で提言し、関連業界に先駆けコンプライアンス規程策定の端緒となった。
受賞一覧は以下の通り。
技術功績賞
「高能率・高送りカッタ『MFH型』の開発」京セラ
「高能率マルチコーナラジアスカッタ『MRW型』の開発」京セラ
「革新的鋼旋削加工用材種GC4325の開発」サンドビック
「ハイレーキ正面フライスカッタ WGX型の開発」住友電工ハードメタル
「鋳鉄加工用ストロングマルチドリルHX型の開発」住友電工ハードメタル
「難削材加工用ブレーカ EG/EF型の開発」住友電工ハードメタル
「旋削加工用高耐摩耗性サーメットT1000Aの開発」住友電工ハードメタル
「高硬度材加工用『フィニッシュ・ハードリーマ』の開発」ダイジェット工業
「溝入れ加工用工具 EasyCutの開発」タンガロイ
「6コーナサイドカッタTung Slot『TSW/ASW形』の開発」タンガロイ
「雄ネジ頭部の六角穴加工用工具『Shaper Duo』の開発」日本特殊陶業
「高硬度鋼小径深穴加工用工具の開発」日立ツール
「ガイドパット付往復切削仕上げ工具の開発」富士精工
「超硬ソリッドドリル MVE/MVS形」三菱マテリアル
「PVDミーリング材種『MP61/71/91シリーズ』の開発」三菱マテリアル
「ヘッド交換式エンドミルiMXシリーズの開発」三菱マテリアル
「超硬加工用ダイヤコートエンドミルUDCBFの開発」ユニオンツール
環境活動賞
「空気圧縮機台数制御・監視システム導入による省エネ」京セラ
「空調機更新と給排気ファン設置による環境負荷軽減」住友電工ハードメタル
「夏場の電力使用のピークカットによる省エネ活動」ダイジェット工業
「コンプレッサのドレン油の回収方法改善による廃棄物削減活動」ダイジェット工業
「空調設備の省エネ(冷凍機電力、蒸気ボイラ灯油)」タンガロイ
「投影用光源のLED化による省エネ推進」富士精工
「超微粒原料粉末の乾燥方法最適化による電力使用量削減」冨士ダイス
「外気導入による空調設備の省エネ化」三菱マテリアル