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三菱マテリアル、日立ツール買収で切削工具の世界展開を加速

 三菱マテリアルは、超硬製品(切削工具)事業の基盤強化を目的として、日立金属の完全子会社である日立ツールを買収する。日立ツールの発行済株式総数の51%を取得し2015年4月1日付で子会社化する。取引後、日立ツールは三菱マテリアルの連結子会社となるが、日立金属は日立ツールの発行済株式の49%を保有する株主として残り、三菱マテリアルと日立金属が一体となって日立ツールを運営し、シナジーの創出および企業価値向上を図る。

 三菱マテリアルの加工事業カンパニーは、自動車や航空機をはじめ各種産業機器に使用される金属部品の加工に必要な超硬製品の製造・販売を主力事業としている。一方、日立ツールは、表面改質・形状技術を強みに、金型の三次元加工や発電・航空機エンジン部品に代表される複雑形状かつ難削材の加工を得意領域としている。

 今後、三菱マテリアルは、日立ツールが有する高精度・高能率・高速加工を可能とする超硬製品ラインナップおよび多様な部材の複雑な形状加工に関する提案能力を拡充することで、長期にわたり市場が求める製品・サービスを従来以上に幅広く提供する。また、国内の超硬製品市場においてシェア首位となる見通しで、今後需要の拡大が期待される海外の超硬製品市場においても世界シェア10%超を目指す。

 一方、日立金属は、工具鋼および航空機・エネルギー関連材料・製品をはじめとする高級特殊鋼分野において、材料開発から製造、加工、販売までの最適な体制を整える。日立ツールは、日立金属の工具鋼事業との連携を継続しつつ、三菱マテリアルの強みである超硬製品の材料開発・生産技術や充実したグローバル販売網を活用することで世界展開を加速させていく。