NTNは、軸受内部設計の最適化により、世界最高水準の高負荷容量と高速回転性能を実現した「ULTAGE(アルテージ)スラスト自動調心ころ軸受」を開発した。
同品は、軸受の内部設計を最適化し、転動体であるころのサイズと本数を最大化した。これにより、従来のスラスト自動調心ころ軸受に対し、基本動定格荷重を最大70%向上し、軸受定格寿命を最大6倍に向上。世界最高水準の高負荷容量を実現した。また、保持器の構造を従来の「もみ抜き保持器」から、シンプルな形状で空間容積を確保した「かご型鋼板製打抜き保持器」に変更した。これにより、従来の油潤滑に加えてグリース潤滑でも使用可能、許容回転速度も20%向上し、世界最高水準の高速回転性能を実現した。さらに、特殊熱処理を採用し200°Cの耐熱仕様を標準にしたことで、高温環境下での寸法安定性と長寿命化を実現した。
スラスト自動調心ころ軸受は、射出成型機などの大きな荷重がかかる用途で広く使用され、また高速で回転する脱水・ろ過機のスクリュープレスなどにも使用されている。同社では、これらを含め「高負荷容量」、「高速回転性能」、「長寿命」が求められる産業機械向けに提案していく。また、軸受外径130mmから320mmという大形サイズまで展開し、設備補修向け案件をはじめアフターマーケット事業の強化に向け、グローバルで販売を進めていく。